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りょうside
2人で飲みはじめて2時間が経過した頃。
『りょうくんはぁ、モテモテ男子だもんね??』
ケーキを食べながら泥酔したAがそんなことを言っている。
ソファに座ってふふーんなんて鼻歌を歌いながら急に訳のわからんことを言ってくる。
そんな姿が面白くてふふ。と笑って頭を撫でれば「あっ!!」なんて大きな声を出す。
『りょうくんって、すごーーーいたくさん頭撫でてくれるよねえ!!私これすきー!!』
いつものような綺麗な仕草も、しゃべり方もない。
ただ子供のように笑顔で頭を撫でてと言わんばかりに目をつぶっているA。
ばーか可愛い。
酔っぱらうと甘えやすくなるのかな?
『りょうくんりょうくん!!』
子供のように無邪気な声でそう呼ばれてときめかない男はいるのだろうか。
正直絶対メンバーには会わせたくないよなあ…
『りょうくんってさ、細くないー??私よりお腹にお肉ついてないんじゃないのぉ??』
なんて言いながら服の上からお腹を撫でてくる。
たまらず、両手を顔に当てて大きなため息をひとつ。
こちらの葛藤なんてつゆ知らずAちゃんは自分のお腹を触ったり俺のお腹を触ったりしてる。
『うん!りょうくんの方が細いです!!へへへ』
俺に対して人見知りしなくなってから、よく笑うなとは思っていたけど、酔っぱらうと余計よく笑う。
本当にかわいい。
今まで付き合うと別れがあるからずっとは仲良くいられない。なんで思っていたけど、こんな風に思ったのは初めてかもしれんくらい、独り占めしたい。
なんて考えていれば、いつの間にやら俺の膝の上で眠っているAちゃん。
ベットはどこにあるかもわからんし、きっと布団の用意とかもまだなんだろうな。
困ったなあ…
その後も1人で飲んでいたら抗えない眠気がさしそのまま寝てしまった。
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作者名:おかゆ | 作成日時:2020年10月25日 21時