30:笑えない事実。 ページ30
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「!?」
『え、』
Qの奪還に成功し、施設のドアを開けた中原の首に何かが巻きつく。
「さっきから妙に……肩が凝る…働きすぎか…?」
「ぬおあァッ!?」
ギュルンと動いた何かによって壁に叩きつけられた中原。
何か、とはラヴクラフトの腕であると思われる。
「むぅ、流石組合の異能者。驚異的な頑丈さだ」
「踏むな!」
『無理です怖すぎです。何ですかあれホラゲですか』
首がおかしな方向を向く彼を見たAは震え上がり、若干パニック状態。
だが、数秒後、あっさりと我に返った。
「来るぞ、如何する?」
「ふっ、如何するも何も、私の異能無効化ならあんな攻撃、」
太宰と中原は会話をしている中、Aはいち早く敵の攻撃に気がついた。
それは、太宰に向かっていた。
『中原さんごめんなさい』
「はァ!?」
彼女は中原を押し飛ばし、太宰にぶつける。
ラヴクラフトの触手は太宰の腕に掠っただけで、直撃は免れた。
「A!」
だが、庇った当の本人は触手に直撃。
凄まじい勢いで後方へと飛ばされる。
「…今のはマズイぞ。下手したら即死だってあり得る」
再び飛んできた触手を破壊し、二人は飛ばされたAの元へと急ぐ。
なぎ倒された木々に埋もれた彼女を、二人掛かりで救出。
『ゲホ、』
「良かった、生きてる」
「頑丈すぎだろ、」
辛うじて生きていたAだが、意識はなく虫の息に近かった。
治癒するにも、多少の時間がかかるだろう。
「中也、来てるよ」
「判ってる!」
止まない攻撃を、Aを担いだまま避ける中原。
流石である。
「あの触手、実に不思議だ」
再び集まった二人は、目の前で起こっていることについて話し出す。
「さっき掠った時に気付いたのだが、異能無効化が通じない」
「莫迦な、有り得るのか?」
先程、Aは太宰への攻撃の直撃を避ける事に成功したが、腕に少しだけ掠った部分があった。
だが、それでも、彼の異能は無効化されなかったのだ。
「私の無効化に例外はないよ。可能性は一つしかない」
太宰に無効化できない異能など存在しない。
つまり、彼の云う通り、残る可能性は一つしかないのだ。
「あれは異能じゃないんだ」
「はァ……!?」
全くもって、笑えない事実である。
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ろろみや。(プロフ) - のりばやしさん» 本当ですか?!是非ともよろしくお願いします! (2017年12月19日 7時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - 主人公さんをかかせていたたけないでしょうか? これからも更新がんばってください!! (2017年12月18日 22時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - 龍愛さん» ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです!更新、頑張ります! (2017年10月19日 0時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
龍愛(プロフ) - ろろみや。様の作品を初めて拝見させていただきました!とっても面白いです!!私の好みの作品です!更新、頑張ってください! (2017年10月18日 22時) (レス) id: a85de7e0fb (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - ぽっぽさん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2017年10月16日 23時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろろみや。 | 作成日時:2017年10月9日 1時