28:密会の手筈。 ページ28
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「太宰、マフィアの首領と密会の場を持つ件は進んだか」
「手は打っていますが、」
翌日、社内では太宰と福沢が当たり前のように話をしていた。
それを耳にしていた国木田の目が点になる。
『国木田さん、顔変ですよ』
「……」
『国木田さん、珈琲どうぞ』
「…あぁ、助かる」
『の、飲んでる…』
最初はいつもと違う国木田を面白がっていたAだが、普段なら絶対に飲まない彼女の珈琲を飲んだあたりから好奇心より恐怖が優った。
誰もこんな国木田は知らない。
兎に角、ある意味怖い。
「マフィアの首領は来ると思うか」
「来るでしょう。社長を殺す絶好の好機ですから」
「構成員同士で延々血を流し合うよりは善い」
それだけ話して、奥に戻っていった福沢。
残った太宰に話しかけるも、あり得ないぐらいに目が泳いでいる。
「おい太宰、説明しろ。マフィアの首領と、、密会だと?」
「そうだよ」
『国木田さんめっちゃ怖いんでこっちだけは見ないでください』
そんな国木田を気にする様子も見せず、太宰は淡々と話している。
が、パニック状態の彼は何も理解できない。
「何が何やら、、第一、何故お前が密会の手筈を整えている?」
「元マフィアだから。国木田くん以外は皆知っているよ?」
太宰は容赦なく国木田にとどめを刺した。
彼は全く動かなくなった。
「国木田くん?」
つん、と突っつくとばたりと倒れた国木田。
相当ショックだったらしい。
『国木田さーーん!』
「変な茶番始めるのやめなよ」
『あはは、潤一郎くんもやります?』
「絶対やらない」
国木田の肩を両手で掴み、力強く前後に振りながら彼の名を呼ぶA。
明らかに面白がっての行動だが、それに巻き込まれるのはごめんだ。
『皆さんが準備するなら、私も準備します』
「A」
『あれ、社長?何です?』
密会に参加すべく、支度を開始しようと立ち上がったAに、何故か戻ってきた福沢が声をかけた。
「留守番、頼んだ」
『えっ』
それだけを云って、また戻っていった福沢。
Aの意見など、聞くつもりもないようだ。
『それって、詰まらないじゃあないですか』
「残念だなぁ。私はAも一緒に行きたかったのに」
『嫌味ですか、嫌味ですよね。早く行ってくださいよ』
不貞腐れるAは不満そうに珈琲を啜った。
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ろろみや。(プロフ) - のりばやしさん» 本当ですか?!是非ともよろしくお願いします! (2017年12月19日 7時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - 主人公さんをかかせていたたけないでしょうか? これからも更新がんばってください!! (2017年12月18日 22時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - 龍愛さん» ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです!更新、頑張ります! (2017年10月19日 0時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
龍愛(プロフ) - ろろみや。様の作品を初めて拝見させていただきました!とっても面白いです!!私の好みの作品です!更新、頑張ってください! (2017年10月18日 22時) (レス) id: a85de7e0fb (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - ぽっぽさん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2017年10月16日 23時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろろみや。 | 作成日時:2017年10月9日 1時