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24:危機感の無さ。 ページ24

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『すっごい、タイミングを誤った感があります』


「もうちょい早いと助かったンだけどねェ」







晩香堂に到着したAは、心底面倒臭そうに呟きながら現れた。





何せ、中原中也がいたのだ。






「元気してるか、横光A」


『どう見たって元気では無くないですか?』






ほら、全身から疲労感が漂ってますよね?、とAはいつも通りに会話を始める。






その隙に与謝野と賢治は奥へと下がる。






彼は、三人がかりでも倒せる相手ではないのだ。





自ら囮を買って出たあたり、怖いもの知らずである。







『それにしても、マフィアの首領さんは汚ったない手を使いますね』


「何だ、聞いてたのか」


『そりゃあ聞こえますよ。あんなに大きい声で話してたら』






そこまで云ってAは、黙った。





その行動に中原は不思議そうに彼女を見る。





するとAは、にこりと笑う。





その笑顔はどこか、太宰に似ているようにも見えた。




つまり、彼と同じようなことを考えていると云う訳だ。






『声はデカイんですね。背は小さいけど』


「おい、今何て云った」


『え?その靴、上げ底ですかって』


「そんなこと云ってなかっただろ!」






出会って二度目の彼をこうもあっさり扱えるのだ。





やはり彼女はあの太宰の同期である。







「手前、太宰に似てきたぞ」


『やだなぁ、冗談は帽子だけにしてくださいよ』


「おい!」






だんだんとコミカルな会話になってきたことに、それを見ていた与謝野が頭を抱えた。






Aに呑まれた中原にも問題があるか、一番の問題は彼女の危機感の無さだろう。







良くも悪くも、Aには危機感がない。







『じゃあ、お帰りください』


「唐突すぎだろ!」


『だって、用事終わりましたよね?』






正論を云われ、云い返せなくなった中原。






彼はさっと、踵を返し歩き出す。






その後ろ姿は気迫のある、マフィア幹部そのものだった。







後ろ姿は、だ。







「…思った以上に疲れたな」







後ろの探偵社には聞こえないほどの小さな声。







中原は、太宰と話した並みの疲労を感じていた。






勿論原因は、Aである。






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25:昔の知り合い。→←23:彼女の仕事。



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ろろみや。(プロフ) - のりばやしさん» 本当ですか?!是非ともよろしくお願いします! (2017年12月19日 7時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - 主人公さんをかかせていたたけないでしょうか? これからも更新がんばってください!! (2017年12月18日 22時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - 龍愛さん» ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです!更新、頑張ります! (2017年10月19日 0時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
龍愛(プロフ) - ろろみや。様の作品を初めて拝見させていただきました!とっても面白いです!!私の好みの作品です!更新、頑張ってください! (2017年10月18日 22時) (レス) id: a85de7e0fb (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - ぽっぽさん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2017年10月16日 23時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろろみや。 | 作成日時:2017年10月9日 1時

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