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17:同期の自慢。 ページ17

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「もう少しで、助けが来る」


「助け?此処を何処だと思ってる」





中原との再会を果たした太宰は、助けを待っていた。




だが此処は中原の言う通り、マフィア本部だ。




容易に侵入できる場所ではない。





「彼女は来るよ。何せ私の同期だ」




太宰はよく彼女を示すとき、"同期"と言う言葉を用いる。


それは、彼らにとって信頼の言葉だ。




その時、微かに音がした。



太宰にとって聞き慣れた、綺麗な音。





中原は、ニヤリと笑った太宰に視線を向けた。





『太宰さん、聞いてくださいよ』


「何かあったのかい?」





あたかも普通に会話を始めた二人。




現れた人物、Aは階段を飛び降りてきた。




中原は色々と驚きを隠せずにいる。




『私、今日非番なんですよ』


「それはすまなかったね」





彼女は、メールできるなら私の助けなんて要らないですよね?、と云うが、全くその通りである。




するとその様子を見てた中原は、彼女に見覚えがあることに気づく。






「お前、横光Aか」


『そうですけど、、あ、重力使いの中原中也さんですか?』




またもや中原は驚いた。





目の前にいるのが、首領から手を出すなと命ぜられた女であり、先程、ぶっ飛んだ登場の仕方を見せた。




そして、だ。




「お前、太宰の同期なのか?」


『はい、残念ながら』




不運すぎだろ、と中原は思う。




よりにもよって太宰、かつての相棒であった中原だからこそ思うことである。





『中原さん、マフィアの警備、もっとしっかりしないと駄目ですよ』


「お前はどっから入ってきた」


『正面ですけど』





中原は何の連絡もうけていない。



つまり其れは、彼女がバレずにここまでたどり着いたと云うことになる。




『もう話は終わってるんでしょう?さっさと帰りましょうよ』


「待って待って、今から面白いものが見られるのだよ」




太宰の視線は中原へ。




その後、中原はなんとか太宰を説得しようとするが、彼がそんなものを聞くはずがない。





「二度目はなくってよ!」




とんでもない爆弾発言を残して云った中原に、Aは言葉を失う。





「さて、行こうか」


『何で私を呼んだんですか?』


「助けって云ってるじゃあないか」





不服そうなAに、太宰はいつも通り笑う。





彼が彼女を呼んだ理由。




中原に自分の同期を自慢したかっただけだ。




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18:知らない話。→←16:三人の関係。



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ろろみや。(プロフ) - のりばやしさん» 本当ですか?!是非ともよろしくお願いします! (2017年12月19日 7時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - 主人公さんをかかせていたたけないでしょうか? これからも更新がんばってください!! (2017年12月18日 22時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - 龍愛さん» ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです!更新、頑張ります! (2017年10月19日 0時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)
龍愛(プロフ) - ろろみや。様の作品を初めて拝見させていただきました!とっても面白いです!!私の好みの作品です!更新、頑張ってください! (2017年10月18日 22時) (レス) id: a85de7e0fb (このIDを非表示/違反報告)
ろろみや。(プロフ) - ぽっぽさん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2017年10月16日 23時) (レス) id: fe8b589f10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろろみや。 | 作成日時:2017年10月9日 1時

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