06 ファン ページ6
一言で言えばショックだった。
私はリアコではない…と思うけれどちょっと微妙なところである。
ずっと推していた人が同じ業界の人と結婚すると公表された時、涙が止まらなかった。
その涙は一体どういう意味で出てきたのかはわからない。
でも“ショックだったから”がピッタリだと思う。
高校生である私は、学校で友達に泣きついていた。
「もー無理ー死ぬー。」
「はいはい。」
オタクでもある友達は私の様子を見てはぁ、とため息を吐く。
呆れたような感じだ。
「祝福する気持ちもあるんだけど、なんというか…。」
「うん…。」
帰り。
いつもの道を歩いていると、数メートル先に大学生くらいのチャラい男性3、4人が横で屯っていた。
「おーい。そこの女子高生ー。」
予想通り声をかけられる。ここはあまり治安が良くない。
無視だ、無視。
「聞こえてんだろ。」
あぁやっぱり私“ついていない”んだ。
1人の男性が私の肩に触れ、止められる。
「…何ですか。」
「ちょっとお金貸してくれない?」
「嫌です。」
「は?」
スパッと即答をしたら、男らは眉間にしわを寄せて“何だこいつ”というような目をされた。
「お前調子乗んなよ。」
「…や、やめてください…っ。」
すると今度は胸ぐらを掴まれる。
グッと首が締め付けられる。きつい。
あぁそういえば、ここの道より手前に遠回りではあるけれど別のルートがあったんだ。
気まぐれで今日はそっちへ行けばよかったかな。
870人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男性声優」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のん | 作成日時:2021年8月15日 19時