家庭科室の、【地縛少年花子くん】 (ページ15)

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お楽しみページ15

次の日。教室にて。

　
「ね、寧々ちゃん…。」

「なーに？葵。」

　
葵が恐る恐る私の右手に視線を向けた。

　
「その袋、どうしたの…？」

「ふふんっ。秘密！」

「…？」

　
鞄の他に少し大きめの袋を1個持ってきたのだ。これは放課後までのお楽しみである。

　
「Aちゃん、楽しみにしててね！」

　
＊

　
放課後。

　
「Aちゃん！」

　
家庭科室に行くと、のんびりと外を見ているAちゃんの姿があった。

　
「！ネネちゃん…。」

「遊びに来た！」

　
放課後が早く来てほしいと願って、全然授業に集中出来なかった。

　
「ちょっとヤシロ！掃除終わってない！」

　
すると、時間差で花子くんがやってくる。掃除？何のことだか。

　
「今日は許して！」

「えぇー…。なんでー。」

　
ぶつぶつと文句を言ってくる。

　
「ふっふっふ。今日はとっておきのを持ってきたのよ！」

　
そう、この時を待っていた。

　
「「？」」

　
「じゃじゃーん！いらなくなった洋服を持ってきたの！」

　
と、私は袋からバサッと机の上に洋服を並べる。

　
「おー！」

　
花子くん、喜んでいるのバレバレ。

　
「洋服…？」

「うん！そのシャツとスカート、汚れてるから、着替えた方がいいかなと思って…。迷惑、だったかな…。」

「！ううん。嬉しい。」

　
喜んでくれた。良かった。

身長も私とあまり変わらないから、着れると思う。楽しみ楽しみ。

　
＊

　
「ヤシロ。」

「…な、何？」

　
花子くんは少し黒いオーラを出してきた。何を企んでるんだ。

　
「今日の掃除はチャラにする。」

　
やった！しかし、テンションが低い。さっきのはどこにいった？

　
「ありがとう！…でもそんな真剣な顔をしてどうしたの。」

「可愛いAを見れるならなんでもいい。」

　
…おまわりさん、こいつです。

　
「真顔で言わないで。」

「ひどい！」