ミえるヒト。【地縛少年花子くん】 (ページ25)

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二十五ページ25

ついに。ついに月曜日だ。

どうしよう。顔に出てないかな。嬉しいっていう感情が。

　
やっと花子さんに。そして寧々ちゃんにも会える。

　
「おはよ！Aちゃん！」

「！おはよ、寧々ちゃん。」

　
教室に入れば彼女から挨拶をしてくれる。しかし何かと不思議そうな顔をした。

　
「？」

「どうしたの？」

　
「何か良いこと、あった？」

「え？」

　
「ふっふっふっ。顔に出てましたよーAサン！」

「！」

　
しまった。顔に出てしまっていた。

　
その後、“花子くんと何かあったんでしょ！？ね！？”と問い詰められた。

　
＊

　
朝から花子さんの姿を見なかった。

　
そして現在は昼休み。あっという間にお昼となってしまった。

　
私は屋上で昼食を食べることにした。

　
「…いただきます。」

　
早速、母が作ったお弁当を食べる。

ちゃんと“作ってはくれる”。私の分まで。

　
「…。」

　
でも、美味しくない。間接的な意味ではなく。なぜだろうか。

　
“母の作ったものだから”という感情があるから、という理由かもしれない。

　
味も、あんまりだ。

　
「はぁ…。」

「そーんなに溜め息ついてたら、幸せ逃げちゃうよー？」

　
溜め息をついた時だった。

私の頭の上から彼の声が。

　
「！」

　
上を見上げるとドアップで花子さんの顔が。

　
「やっほーA。朝から来れなくてごめんねー。」

「花子、さん…。」

　
花子さんの顔を見れた。それだけで嬉しさが込み上がってくる。

　
「もー寂しかったよー！」

　
と、彼はぎゅっと抱きついてきて頬をくっつけてきた。