38滴：本当は ページ39
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(本当は静かに行きたかったのになぁ…)
と、俺は新幹線に乗って思う。
日向は…うん。絶対Aちゃんに言うと思ったけど、まさか彼女が駅まで来るとは思わなかった。しかし、彼女の顔を見ることが出来たので良かった。やはりAちゃんの笑顔が好きだなと思う。
彼女を知ったのは小学生の時だった。身長も性格も何もかも俺達は変わってしまう。しかし笑顔は“変わらなかった”。
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「あ！公園の！」
「！」
公園でAちゃんが泣いていた次の日。昼休みになって中庭に行くと、ノートを持っている彼女を見つけた。中庭は人があまり来ない。
彼女は花壇の前に座っていた。
「おれ、すがわらこうし！君は？」
「…すが、A」
「すがちゃんか！おれも“すが”って入ってるからおそろいだねー」
俺はAちゃんの横に座った。横からちらっと見ると彼女は自由帳に花のイラストを書いていた。
「上手だね、絵」
「あ、りがとう」
「昨日、どうだった？」
「……おこられ、ちゃった」
「！」
彼女は今にも泣きそうな目をしていた。
「かーして！」
「！うん」
俺はAちゃんの自由帳を手にとり、1つコップを描いた。
「コップ？」
「そうだよ」
更に、コップから水が溢れ出ているのも付け加えた。
「そして、っと」
「！」
あとは言葉を書いた。
___________ コップはこわしちゃだめだよ。水があふれ出てもだめ。
最後に自分の名前も。
「これって…」
「苦しかったら、自分の持っている1つのコップがこわれちゃったり、あふれ出ちゃったりするんだよ」
「！」
「今、すがちゃんがぎりぎりにいるから気をつけてほしいな」
「わかった…」
コップから水が溢れてた時、俺達は壊れちゃう。
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「なーんて、俺そんなこと言ったなぁ…」
俺は頬をつき、窓から外の景色を見た。
「人生何があっても、幸せ者になるって俺はずっと信じてる」
俺はポチャッと水が1滴溜まっていくような気がした。
_____________幸せ者は、“変わる”。
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ノン(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます。私もスガさん大好きですね(笑) (2019年9月16日 15時) (
レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
ノン(プロフ) - 渚＠俺ﾅｰさんさん» コメントありがとうございます。更新がんばります！ (2019年9月16日 15時) (レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
みな - スガさん大好きです！！ (2019年9月16日 11時) (レス) id: c7efde0d03 (このIDを非表示/違反報告)
渚＠俺ﾅｰさん(プロフ) - 好きです…。こういうお話好きです。更新頑張ってくださいね！ (2019年9月16日 2時) (レス) id: fb112923a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノン
| 作成日時：2019年9月15日 19時
