17滴：晴天 ページ18
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バシン、と叩いた音が病室に響いた。その音は“誰かを叩いた音”のような。
では誰が？
お父さんはただぼーっと立っている。
お母さんはさっきの言葉を私には聞こえないように言ったつもりなのだろうけど、しっかり聞こえた。
広樹はまだ眠っている。
……。あ、私か。
私の目の前にはお母さんの驚いた顔があった。そして手のひらが痛い。
__________私が親の頬を、叩いた。
「何するのよ！」
“女”は怒鳴る。
「…」
「何か言いなさい！」
「…じゃあ言うね。こんな親で本当に残念」
「は？」
「さっきの言葉ばーっちり聞こえたから。は？ってこっちのセリフ」
「別にあれは、本当のことを思っただけ」
「あっそ。もし広樹が目覚めたら連絡して」
「ちょ、どこに行くの！」
「……帰る」
怒鳴って、今までのことを吐き出して、涙をたくさん出して、泣きたかった。
でもそれはここじゃない。
広樹、ごめんね。
____________こんなお姉ちゃんで、ごめんなさい。
＊
自転車には乗らず、ただ走らせていた。
何の意思もなく、ただ歩いていた。
家に帰るわけでもなく、ただぼーっと。
そして、着いた先は______________“あの公園”だった。
自転車を止めて、ブランコに座る。
少し冷たい風が優しく吹いている。空を見上げると、雲一つない晴天だった。
じっと空を見ていると、歪んできた。頬に何か流れる。
「……あぁ」
たくさん我慢してきたものが、涙として“流れ出ている”。
「や、だな、ぁ……」
子供は親に愛されるだなんて確証はない。
いや、今の年齢になってそんな“愛されたい”だなんてあまり思わないけど。
それでも、あんなに厳しい感じだったとしても“愛されている”と思っていた。
__________愛されているのは弟だけだった。
その弟が事故に遭って、2人はイライラしていたんだろう。
そんなことを思いながら空を見上げて思った。
…誰かが近くにいるとは知らずに。
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ノン(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます。私もスガさん大好きですね(笑) (2019年9月16日 15時) (
レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
ノン(プロフ) - 渚＠俺ﾅｰさんさん» コメントありがとうございます。更新がんばります！ (2019年9月16日 15時) (レス) id: 06efefbac8 (このIDを非表示/違反報告)
みな - スガさん大好きです！！ (2019年9月16日 11時) (レス) id: c7efde0d03 (このIDを非表示/違反報告)
渚＠俺ﾅｰさん(プロフ) - 好きです…。こういうお話好きです。更新頑張ってくださいね！ (2019年9月16日 2時) (レス) id: fb112923a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノン
| 作成日時：2019年9月15日 19時
