11枚目。 ページ12
勇次郎side。
ニコニコしながら『そのまさか?』とか言って、窓の外に出ていく花宮さん。
周りを見渡し、隣の教室に何かを発見したのか、ラッキ〜とか言っている。
って、そんな事考えてる暇じゃない。
慌てて駆け寄った。
勇「何してんだよ!さっさと、こっち戻れって!危ないだろ!」
あ『大丈夫だよ。これくらい。』
勇「はぁ!?ここ2階だぞ!もし落ちたら…」
あ『死ぬね?でも、私を信じて。大丈夫だから』
信じてって言われても、そんなの!と言おうとした時には、壁伝いに隣の窓へと移る彼女がいた。
慌てて窓から身を乗り出しで見ると、なにやら『ひよりちゃん!ひよりちゃん!』と叫びつつ、窓をバンバンと叩いている。
ひ「A ちゃん!?こんなとこで何しとるん!?危ないやん!!」
あ『ごめんごめん、隣の音楽室にさ、染谷くんと閉じ込められちゃって』
慌ててる涼海さんと、花宮さんの笑い声が聞こえた。
その瞬間、心底ほっとした。
よかった…本当に…
あんな事考えてた僕は、情けない。
一人、音楽室の中で二人分のブレザーを抱えて反省していると、ドア越しに声がした。
あ『そ、染谷くーん。聞こえる?てか、生きてる?』
気力がなくて、ボソッと応えると、慌てた声が返ってきた。
あ『ん?本当に生きてるよね!?』
勇「ああ…というか、お前…二度とあんな事すんなよ…」
もうあんな事させたくない。
いや、俺がさせない。
なぜか、心の中で強く思った。
少しすると、涼海さんが持ってきた鍵でドアは開き、教室出た時には、辺りは真っ暗になっていた。
ひ「じゃあ、うちこっちやから…また明日!」
ぶんぶんっと手を振って帰っていく涼海さん。
それに『また明日!!かわいい…』と手を振り返している、花宮さん。
勇「ごめんね、こんな遅くなっちゃって。送るよ。」
あ『ん?あー、ママに迎え頼むから大丈…え?』
笑顔で大丈夫!と言おうとしたんだろうか。
スマホを見て明らかに表情が変わった。
勇「どうしたの?」
あ『えっと…ママね?今日仕事で帰れなくなったから、お兄さんの家に行けって…行きたくない。』
勇「なんで?」
あ『いわゆる、その、家庭内暴力?』
は?
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聖奈(プロフ) - 勇次郎saidではなくて勇次郎sideではないでしょうか? (2021年7月26日 1時) (レス) id: 2e6938813a (このIDを非表示/違反報告)
かなやなか(プロフ) - 苺さん» ひ、広島なんですか!?ロメオのプロローグには、陸上部推薦で田舎から上京としか書いてなくて、分からなかったんですよ…ごめんなさい!それから、ご指摘ありがとうございます!! (2018年1月13日 21時) (レス) id: caa16effcf (このIDを非表示/違反報告)
苺 - ひよりちゃん、広島からきたってゆう設定で広島弁なんですよ。それで『ほんま』とか使ってますけど広島の人は使いませんよ〜私広島にすんでるので気になっちゃうんですよね(笑) (2018年1月13日 20時) (携帯から) (レス) id: 96aa72ff0a (このIDを非表示/違反報告)
かなやなか(プロフ) - ノアさん» 勘がよろしいようで…笑。ありがとうございます、更新しよかァァァ← (2018年1月10日 19時) (レス) id: caa16effcf (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - まさかの金曜日のおはよう組!?と…トリプルデート?笑 続きが気になります!更新頑張ってください(*^^*) (2018年1月9日 22時) (レス) id: 1927fe488d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなやなか | 作成日時:2017年12月14日 0時