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いつも通り？#愛蔵 ページ33

ピンポーン




インターホンが鳴って、ドアを開けると
いつも通り。





あ『おはよ』



愛「はよ、まだ時間あるしあがって」



あ『はーい、おじゃましまーす』



愛｢はーい｣




靴を脱いで、とことこと俺の後をついてくるのは、幼馴染であり、つい最近彼女へと昇格したA。


彼女になったからと言って、俺達の関係が激的に変化した訳ではない。



いつも通りAが俺ん家に来て、撮影まで時間がある時は二人でまったりゆったり。





あ『愛蔵ー』



愛「ん？何？」



あ『今日お兄さんは？』



愛「彼女んとこ」



あ「ふーん」



最近、アリサとかいう女一筋になったらしい。
何があったのかは興味もないが、まあ、これまでフラフラして色んな女を家に連れ込んでたよりは、マシだ。



ココアを二人分作り、Aのところへ持っていく。
クロもついてきた。




にゃ〜


あ『あ、クロちゃんーもふもふ〜』



愛｢はいココア｣



あ『ありがと』



ココアを受け取って、ふぅーふぅーと冷ましつつ口に含み「あちっ」と慌てながらも飲んでる姿に、可愛いなぁ俺の彼女…とか、らしくもない。




あ『どうしたの？なんか変な顔して』



愛｢なんでもない。口火傷すんなよ｣



あ『さっきしたもん』



愛「もんって…はは」



あ『何笑ってんの馬鹿』



拗ねてんのも可愛くて。
ほんと激的な変化はない。
強いて言うなら、俺がらしくないことくらい。
Aもそんな変わらないし。




愛「ほんと変わんないよなぁ」



あ『そう？』



愛｢うん｣



あ『ふーん…あ』



愛｢んー｣



あ『好きだよ愛蔵』






思わず飲んでたココアが変なとこ入った。
噎(む)せ込む俺を見て、｢あはは〜おかし｣と笑うキミはずるい。




愛「っはぁ…もうなんだよ急に」



あ『言いたくなった』



愛｢急すぎる｣



あ『愛蔵は？』



何その期待満々な目。
さっきの仕返ししてやろうか。




愛「何が？」



あ『分からないのか…』



愛｢何その哀れむような目｣



あ『分からないならいい』



愛「嘘ー分かってる」



馬鹿野郎と頭を叩かれた。
顔赤いのは気のせいってことにしとこ。




あ『・・・』



愛｢・・・｣



キミとなら沈黙も心地よくて、
このままでもいいやなんて思えた。




あ『ふぅ…』



愛「ため息って幸せ逃げるらしいよ」



あ『逃げたら捕まえに行くから大丈夫』



愛｢お前のそーゆーとこ好き｣



あ『…ずるい、そーゆーの』

ご褒美。 #愛蔵→←love you.me too.#勇次郎

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