＃３６ ページ37
〜重岡 side〜
「あ、神ちゃん」
「しげ。来てたんや」
望がいなくなって、もう半年が経った。
こうやって、１週間に１回はお墓に来て、１時間くらい望に話しかけるっていうのが習慣になりつつあった。
それは神ちゃんも同じで、俺ほどじゃないけど定期的に望に話しかけに来てるんやって。
「もう半年経ったんや」
「早かったわ、ほんまに」
２人して並んで、思い思いに望に話しかける。
「望。俺、大学頑張ってるで。
無理に笑うのも、無理に場を盛り上げるのもやめた。
神ちゃんみたいな、俺のことわかってくれとるやつと一緒におれたら、それで十分や」
「そんなこと言ってるけど、しげな？
この前、落単しかけたんやで。
俺は、もちろんそんなことしてへんよ。
今な、俺、髪の毛赤に染めてみてん。
どうかなー？のんちゃんにも見てもらって、感想聞きたかったわー」
「神ちゃん、俺のそのことについては報告したらあかんで」
「ふふ、ごめんな？
しげ、毎日ほんまに笑ってるで。
安心してや、のんちゃん。
今でも、みんなの太陽や」
＊
「ふふ、いっつも俺に報告ありがとうなー？
神ちゃんほんまに似合ってる！似合ってるんやけど、将来が心配やなぁ、やっぱり。
そう直接言いたいねんけどなー。
大毅も、落単だけは気ぃつけや、ほんまに。
まぁ、でも大毅なりに頑張れてるならそれでええよ。
あ！あと、ここな、太陽ないねん。
やから、早よここ来て！とはさすがに言わへんけど、いつか一緒に話そうな」
「大毅、また俺たちの太陽になってな」
____Fin____
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作者名：シャルル | 作成日時：2019年7月14日 21時
