黒色くんと八色の話。２【ﾚﾝﾒｸﾞﾛ】 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:37 hit、合計:112,105 hit

‪◆Ryohei.A ページ6

リビングへ戻ると泣き疲れたのかソファでスヤスヤと眠るAさん。

寝室から薄い緑色のブランケットを持ってきて小さく丸まった体にフワッとかける。

寝室に運んであげたいけど、
ふっかの時みたいに嫌な顔をされるのはごめんだ。

『風邪ひかないでね。』

サラサラの髪を軽く撫でて、俺は勉強部屋へこもった。

けど、ソファで寝ている彼女が気になって30分も集中できなかったのは皆には内緒。

勉強部屋から出た俺はキッチンへ向かい、コップに水を注ぐ。

その場で一気に飲み干すと、ソファから顔を覗かせるAさんと目が合った。

『あ、起きた？』

A「凄い音ですね。」

俺の喉の音で起きたのだろうか。

寝起きで舌っ足らずな口調でクスクス笑っている。

『何か鳴っちゃうんだよね、喉。』

A「びっくりしちゃいました。
…あ、ブランケットありがとうございます。」

体を起こして、うーんと背伸びをした彼女はまだ少し赤い目をグリグリと擦る。