黒色くんと八色の話。２【ﾚﾝﾒｸﾞﾛ】 (ページ22)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:112,060 hit

︎✿ ページ22

置きっぱなしにしていた私のスマホだ。

『もしもし。』

阿《あ、やっと起きた？待ちくたびれたから照と買い物行ってたの。》

『本当にすみません。爆睡してました。』

ソファに座り、誰もいない空間にペコペコと頭を下げる。

阿《それは全然いいんだけど、カードキーを持ってくるの忘れてマンションに入れないから持って降りてきてくれない？
玄関横のフックにかかってるパスケースに入ってるから。》

約束をすっぽかしてしまった私には断る選択肢はなく、
マスクとカードキーを持って家を出た。

ここに来る時の亮平くんの動きを真似してカードキーでエレベーターを操作する。

なんとか1階へ降りると、エントランスの外に大量の袋を抱えた亮平くんが立っていた。

『…え、いつから待ってたんですか？』

額に汗を浮かべた亮平くんに近付き、荷物を持とうと手を伸ばすが華麗に避けられる。

阿「んーと、かれこれ1時間くらい？」

爆睡していた自分をぶん殴りたい衝動に駆られた。

阿「あ、でもここに立ってたのは15分くらいよ？それまでは照の車の中で待たせてもらってたから。」

岩本さんにまで迷惑をかけてしまった事を知る。