黒色くんと八色の話。２【ﾚﾝﾒｸﾞﾛ】 (ページ18)

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◆Raul ページ18

『待って待って待って！どういうこと？』

我慢出来ずに3人の顔を順番に見る。

気まずそうに眉を下げて笑う阿部ちゃんとAさん。

岩本くんは変わらず難しい顔をしていた。

『…めめと別れてない…ですよね？』

A「…ごめんなさい。」

俺の問いにはっきり答えないけど、どうやら…。

『めめはそれで納得したんですか？ほんとにいいんですか？今回のことは何かの間違いかも…。』

どうしても2人が別れることが信じられなくて
前のめりになってAさんに詰め寄ってしまう。

岩「…ラウ。」

岩本くんが俺の肩に手を置き、元の体勢へと戻される。

その反動で今度はソファの背もたれに深く寄りかかって座る。

『めめを信じてよ…。』

俺のつぶやきは誰の返事も貰うことなく静かな空間に消えた。

目の前で俯く彼女が小さく肩を震わせているのに気付いた時、

阿「部屋に行こうか。」

阿部ちゃんがAさんに声をかけ、2人はリビングから出て行った。

『…俺、泣かせるつもりじゃ…。』

岩「分かってる、分かってるから。」

静かに答えた岩本くん。

阿部ちゃんが再びリビングに戻ってくるまでの数分が、
とてつもなく長く感じた。