黒色くんと八色の話。２【ﾚﾝﾒｸﾞﾛ】 (ページ11)

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◆Hikaru.I ページ11

目黒の家を出た俺は車に乗り込み、阿部に連絡を取ろうとスマホを取り出す。

ん？

『これ、ふっかのじゃん。』

ロック画面に自分の顔を設定している点に軽く引きながら

パスワードを予想して入力。

開いた。

SNSのアプリから阿部のアイコンをタップし、発信。

阿《もしもし？あー、えと照？》

ふっかからの着信なのに俺の名前を呼ぶ阿部。

『あ、そうだけど。え、なにエスパーなの？』

阿《ふっかから電話あったんだよ、照のスマホから。状況はあらかた聞いたよ。》

『そういうことね。とりあえず今からそっちに向かう。』

はーい、なんて軽く返事をする阿部が少し心配になる。

危機感無さすぎじゃね？

通話を終えて車を発進させようとシートベルトを装着する。

その時、助手席側の窓がコンコンと叩かれる。

うわっと声を出して音のする方を見ると、

ラウールが変装もせずにヒラヒラと手を振っていた。

急いでロックを解除して乗るように促す。