卑しき狗は笑わない 参

玖拾弐 体目（92体目） ページ17

中「太宰！」



太「わかってる！」



太宰が奴に向かって駆け出す。
異能を消して仕舞えばこっちのもんだ！




フ「あまいな」




其れを読んでいたかのように、軽く避け
芥川を狙う




芥「羅生……フ「遅い」」




芥川が言い終わる前に、奴は芥川を蹴る。


芥川はろくにガードもしてなかったせいで
数メートル飛ばされた。




芥「ぐはっ！」





太・中「芥川君！/龍！」





フ「遅すぎるな。まずは一人」






中「くそッ！」




俺が奴に向かい拳を向ける。
振り下ろす前に其れは止められ、そのまま背負い投げをされる。
だが、奴の手は掴めた。




中「重力操作！」



奴への重さのベクトルを変える。腕が音を立て床に叩きつけられる。



フ「なかなかやるね、えーと、中……」




中「中原中也だ」





フ「そうそれだ。けど」




奴はニヤリと笑うともう片方の腕で銃を持ち、俺に向ける。



太「中也！！！」



そして、逃げる前に撃たれた。



中「い゛！」




肩から血が流れる。
すぐに後ろに下がるが、この傷じゃ、片腕は使えねぇか




太「中也、その傷」




中「かすり傷だ」





太「それより、奴、かなり強い。もう残ったアレを使うしかない」





中「………今回だけてめェの考えと同意見だ。
お前の援護が鍵だ」



太「今回はAちゃんが最優先だからふざけないでやるよ」



中「信じがてェが、やってやらぁ！」





俺は手にはめた手袋を外す。

そして唱える。




中「汝、陰鬱なる汚濁の許容よ。更めてわれを目覚ますことなかれ」





フ「！！！」





太宰がいねぇと俺の体が異能に耐えれず死 んじまう、俺の異能の本当の力。






太・中「汚濁」





さぁ、すべてをコワセ

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