卑しき狗は笑わない 参

玖拾 体目（90体目） ページ15

〜組合にて〜(最近、ギルドを組合と書くのを忘れていたことを思い出した)


〜貴方 視点〜



『………っ、此処は』



目を開け、体を起こすと
私はベッドに寝ていた。



しかも結構高そうなふかふかのベッドに。




「目が覚めたかい？」



声のする方に顔を向けると、
金色の髪の男が立っていた。



『誰だ』




「そうだったね。私はフランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド
此処、組合の団長をやっている」





『私を此処に連れてきた。いや、
Sに依頼して私を此処に連れてきた理由はなんだ』






私はベッドからおり、フィッツジェラルドを睨む。




「そんなに睨まないでもらいたいね。
理由は一つ、組合への勧誘だ」




組合への………勧誘？


私を組合を引き入れるつもりか。





『其れなら断っておく。
私はポートマフィアに所属しているからな』





「そうか。あまり手荒な真似はしたくないのだがな」




机に近づき、引き出しから金を出す。




「一億」




空中に一億の金がひらひらと、木の葉のように舞う




「華麗なるフィッツジェラルド」





奴の体が光ると、一瞬にして私との間合いを詰める。




『！！！』



私に蹴りを入れる。咄嗟に腕でガードしたが




『っ、駄目だ。防ぎきれな……』




そのまま壁まで吹き飛ばされた。




『ぐっ』




「余りレディーを傷つけるのは趣味じゃないのだが、入る気になったか？」




『無理だね』





身体中が痛い。
おそらく、あいつの異能だな。


一億、金で身体能力を向上させる能力か。




「なかなか頑固なレディーだね」




そう言うと、扉からノックの音が聞こえた。




「誰だ」




「フィッツジェラルド様！室内に侵入者が」




侵入者？………真逆！！！




「どうやら君の所のお仲間が来たようだ」




フィッツジェラルドが笑う。




私が扉に向かうと、腕を掴まれ後ろに引かれる。





「ちょっと此処で待っていてくれ。
すぐに追い返して、ゆっくり話をしよう」




私の手を、ベッドの先についている棒(？書いている私にも全然意味わからん)とを手錠で繋いだ。





『手錠！？』




フィッツジェラルドが扉に手をかけ、廊下を歩く。




『あいつらを甘く見るなよ』




そういった私の声は聞こえなかったようだ。

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