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捌拾陸 体目(86体目) ページ11

そして、それから数分後
太宰は眠ってしまったようで耳元で寝息を立てていた。






「……スゥースゥー」






こうして寝ていれば普通でいいと思うのだが、天は二物を与えずだな。





「?A」



『芥川』



そこに芥川が近づいてくる。




「何をして…」




私はシーッと口元に手をつけて示した。



芥川は何を言おうとしたかわかったようで、
黙った。




『小声でなら話していい』



「………寝ているのか?」



『寝ている』



「そうか」




『少し前から聞いてみたかったのだが、
芥川は太宰と何かしらの特別な関係性でもあるのか?』




そう言うとムッとした顔になり、



「ただの上司なだけだ」



『ただの上司……か』




そうは見えないな。
何か、特別な何かな気がする。

上司というだけではない、
特別な……



「否、違うな」



『?』



「太宰さんはやつがれの憧れだ」




『憧れ?』




芥川は自販機でお茶を買うと、
それを一口飲んだ。

そして私の前に立った。




「太宰さんは、やつがれとは違う。
なんでもできて、周りのいろんなものに恵まれていて、尚且つ強い。其れにこんなやつがれを助けてくれた、優しい人なのだ。そして」




そこで一度言葉を区切ると、
私の隣に座った。



「やつがれを見てくれない人だ」




『?芥川の事を普通に見ているじゃないか』





「そうではない。認めてもらえてないのだ」





芥川はお茶を半分ほど飲み干す。




「Aのような仲間として。
強さのないただの屑は認められない。
だからやつがれは太宰さんに認められるために強くなくてはいけないのだ」






強くなければ認めてもらえない。
弱いと見捨てられる。


芥川も私と似ているのかもしれない。




『お前も、私と似ているのだな』



「?」



『いや、なんでもない。
其れより芥川。太宰の事はどうしたらいいと思う』




起こすのも悪いし、
しかし私もそろそろ部屋に戻らなければ。





『なぁ芥川……』





いない。逃げたか。


仕方ない




『太宰ー、起きてくれ』



「・・・」



『おーい、太宰ー』



「・・・」




起きない。



「………ん、何?」



『起きたか。早く自分の部屋に戻れ』



太宰は動こうとしない。



「Aちゃん、運んでー」



『面倒だ』




「私も動くの面倒くさ〜い」




『……紅葉さん「歩かせていただきます」』



紅葉さん……まぁ、感謝だ

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トマトマン(プロフ) - �さん» おそ松さんも好きなので是非見させて貰います(_ _*) (2016年3月18日 19時) (レス) id: 7c2eb96b69 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - トマトマンさん» いつも見てくださりありがとうございます!!!私も好きなキャラとかが話に出てくると時々死因が萌えになりますwww昨日、新しい話も作りました!文ストとおそ松さんのコラボです!ギャグっぽくしますが、絶対シリアスになる気がする作者からの宣伝でした! (2016年3月18日 15時) (レス) id: 9c24d02fa9 (このIDを非表示/違反報告)
トマトマン(プロフ) - ヤベー超面白いwww芥川がwwww萌えが死因ってwwwww夢主最強じゃん!!今回も良かったです(*^^*)楽しみにしてます!! (2016年3月18日 14時) (レス) id: 7c2eb96b69 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 中年男の行方ももう少し書きたいと思います。ヤバかったので指定が入るかと思いましたよ(ーー;) (2016年3月4日 21時) (レス) id: 9c24d02fa9 (このIDを非表示/違反報告)
トマトマン(プロフ) - 可愛い可愛い夢主ちゃんが汚れれたーーー!!(T_T)中年男許すマジ!!#(`^´)続き気になります!更新頑張って下さい。(^^) (2016年2月29日 20時) (レス) id: 67a72e858a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤンデレピエロ | 作成日時:2016年2月15日 16時

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