What I lost.【爆豪勝己】 (ページ14)

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そのクラスメイトというのはなんというか、謎メンって感じで、アホの上鳴にデク。そして女子はお茶子、ヤオモモに響香。

「え、…さっきの話、聞いてたの？」

「あっ、えっ？…なんも？き、聞いとらんよ？」

「…聞いてたのな。」

「ごめん！聞くつもりはなかったんだよ！」

此奴等にもバレてしまうとは。多分みんなバラさないと思うが、上鳴が誤って口を滑らしそうなので、少し不安になった。

「とりあえず中入って。」

「なんかごめん。」

「全然気にしてないよ。」

「めっちゃ気にしてる顔だよ！？！？」

気にしてる顔ってなんだ、なんて考えながら私はカーテンを開けた。さっきまでは閉めていたから、外の光が凄く眩しい。

「あれ、爆豪入んねーの？」

「「え、」」

上鳴が彼の名前を呼んだので私と切島は、一瞬氷のように固まった。さっき彼はいなかったはず、…それとも隠れていたのか何なのか。

「っ、入るわ！指図すんじゃねぇアホ面！！」

「ゥ、ウェイ…」

爆豪くんは片手に林檎が沢山入った袋とシオンの花束を持っていた。
この人か。私が知らない間に毎日花を取り替えて、林檎をウサギの形にして置いておいてくれたのは。

「俺飲み物買ってくるけど欲しいモンある？」

全員分は切島1人じゃ大変と言うことなので、上鳴とデクも一緒に行ってくれることになった。多分上鳴はナースさんを眺めたいだけなのだろうが。

その後女子達も気を利かせたつもりか、3人仲良くトイレに行ってしまった。気なんて利かせなくて良いのに…これが“余計なお世話”と言うやつだ。
だからこの空間には私と爆豪くん、たった2人になってしまった。