彼女にとって２【東堂尽八】

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顔から火が出るんじゃないかってくらい、彼女の顔は真っ赤だった。そりゃこの状況で恥ずかしいと思わない奴なんていないだろう。




レイ「尽八っ…降ろして。」




今彼女は東堂に“お姫様抱っこ”をされている。そして東堂は彼女を抱きながら全力疾走、これは腕力と体力と気力がないと絶対に出来ないことだ。




東堂「降ろしてもお前は走らないだろう？
それならオレがお前を抱いて走った方が速いからな！ワッハッハ！！」




レイ「…そうだけど。せめて…おんぶにして。」




東堂「それはオレに死ねと言っているのか？」




レイ「は？」




確かにおんぶの方がやる方もやられる方も楽と言えば楽なのだが、おんぶにはちょっと厄介なところがある。

多分東堂はアレがあたってしまうことを気にしているのだろう。流石、と言っていいのか年頃の男子なだけある。
だがしかし、彼女は誰がどう見てもまな板だ。あたっても何の感触も味わえない。…まぁレイがまな板だという話は置いておいて、取り敢えず山神様も健全な男子高校生だとうことだ。




レイ「あ。…尽八、貴方そんなこと考えてたんだ。今すぐ降ろして、変態！」




東堂「なっ、仕方がないだろう！というか暴れないでくれんか！落ちるて顔に傷でも出来たらどうする！！」




レイ「別に落ちてもいいし、怪我してもいいよ。変態から離れられるならどうなったっていいもの！」




東堂「オレは変態などではない！変態といえば荒北の方が変態だ！」




レイ「人と自分を比べないで、というか今あの人の名前を出さないで、空気を読みなさい馬鹿！」




そんなくだらない喧嘩をしているうちに、ゴールに辿り着いていて、気付けば東堂は1位でゴールテープを切っていた。
流石、運動神経が良いだけある。

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