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東堂は硬く握り締めたレイの手を離そうとはしなかった。やっと捕まえた獲物を捕らえたかのような目つきだ。
周りの生徒全員の視線が、2人に集まっている。
レイ「え…やだよ。」
真波「東堂さんあっさり振られちゃいましたね〜。」
ヘラヘラと笑う真波をキッと睨みつけ、東堂はまた目線をレイに戻す。
東堂「レイ!何故なのだ!」
レイ「だって、走りたくないもの。」
レイにそう言われてしまうと、何も言えなくなる東堂だった。
しかし東堂はどうしてもレイに来て欲しいようで、何としてでも彼女を連れて行こうとする。
東堂「レイ!オレにはお前が必要なんだ!」
レイ「…そんなキザな台詞を言っても私は引っかからないよ。」
東堂「…そうか。」
レイ「……わかった。一緒に行ってあげる。
でも私は絶対に走らないから、…最下位になっても文句は言わないで。」
溜息を1つついてから、ゆっくりと立ち上がって東堂に一歩近づいた。
すると東堂は、いつもの自信満々の笑顔になった。その顔を見て安心したのか、彼女の表情も緩んだ。
東堂「レイ、ちゃんと捕まっていろよ。」
レイ「は?……ちょっ、!?」
真波は去っていく2人を見て「流石東堂さん」だなんて思いながら「ひゅー」と口笛を鳴らした。多分本当は「流石東堂さん」なんて思っていない。
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bad angel(プロフ) - 続き、書かないんですか…? (1月3日 9時) (レス) @page13 id: cbfa8e01a9 (このIDを非表示/違反報告)
nokinokiakari(プロフ) - 作品拝読させていただきました!!すごい面白いです、もし他の作品書いている合間とかにお時間あれば…、更新再開してほしいなと! (2020年11月29日 9時) (レス) id: eaaeae6296 (このIDを非表示/違反報告)
苺愛(プロフ) - 体調大丈夫ですか?作品2つとも読ませていただきました。もしまた更新を再開してくださるなら、気長に待っていますので、これからも頑張ってください。応援しています。 (2019年8月5日 17時) (レス) id: 0adac37250 (このIDを非表示/違反報告)
かの - 一気に2つとも読ませていただきました。素敵な作品を執筆していただきありがとうございます。続きを楽しみにしています。 (2019年4月17日 18時) (レス) id: 25eecf9d8e (このIDを非表示/違反報告)
まりす - シリーズ一気に読んでしまいました。体調に気をつけていただきつつも続き気になります。 (2018年12月2日 10時) (レス) id: 17925f10ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち米 | 作成日時:2018年10月11日 23時