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有紗は無事にレイや華代、他の友達から誕生日プレゼントを貰うことができた。
「きりーつ。礼。」
4限の終わりを知らせるチャイムが鳴り、クラスのほとんどが、食堂や購買をゴールにして一斉に走り出す。
有紗は何故みんなそんなに急いでいるのだ、といつも疑問に思っていた。結局何かしら食べれるのだから、走らなくても飯は逃げないのだから。
何が起こったのか、さっき教室を出ていった奴らがクラスの中に戻ったり、他のクラスの女子達が1組の教室の前に群がり出した。
荒北「オイ、内等チャンよぉ。なんかおめー、新開に呼ばれてるぜ?」
有紗「…新開?あたしなんかしたっけ?」
なんで呼ばれてるのか分からないまま、彼女は教室の入り口で立っている新開隼人のところに歩いていく。
新開ファンの女子達からの視線が凄かったが、有紗にとってはそんなもの痛くも痒くも無い。ただ、哀れな奴らだな…と思っているだけだった。
有紗「…何の用?」
新開「よっ、バースデーガールさん。」
そう言って少し膨らんでいたジャケットのポケットから何かを取り出して有紗に差し出す。
取り出したのはプレゼント…ではなくパワーバーだった。有紗は目を細め、眉毛をひん曲げて「はい?」と疑問の声を上げた。
その変な声を聞き、顔を見た新開は少し驚いてから苦笑いをし、さっきまで出していたパワーバーをポケットにしまった。そしてもう一度ポケットに手を突っ込み、綺麗にラッピングされた小さな箱を差し出した。
それでもまた、有紗は「はい?」とさっきと同じトーンで声を上げる。
新開「誕生日プレゼントだよ。」
有紗「いや、それはわかるわ。でもなんで?」
新開「おめさんが誕プレくれたらあの時の借りをチャラにするって言ってたじゃないか?」
しばらくの間沈黙が続く。そして有紗は思い出したのか「あ」と声をあげた。
その時の彼女的には冗談で言ったつもりだったので、本当に誕プレをくれるなんて思いもしなかった。
有紗「あれ、冗談だしいいよ。気持ちだけ貰っとくわ。」
新開「そうか?…でもせっかく買ったんだし、オレが使えるもんでもねぇからおめさんにやるよ。」
そう言って新開は、有紗の掌に無理やりプレゼントを持たせる。
有紗「まぁ、貰えるもんなら貰っとく。ありがと。…中身見ていー?」
新開「ぁあ、いいぜ?」

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もち米太郎(プロフ) - しおらんさん» コメントありがとうございます!!東堂めっちゃ好きで勢いで作っちゃいました笑行き当たりばったりの思いつきの話なので本当文才ないですけど今後も頑張りますんで今後もよろしくお願いします! (2018年9月11日 6時) (レス) id: 498205eb8a (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く面白いです!荒北も好きだけど東堂かっこいいです!早くくっついてほしい!これからハラハラしそうな予感ですが続き楽しみです!頑張って下さい! (2018年9月10日 13時) (レス) id: 097333551a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち米 | 作成日時:2018年8月13日 18時