彼女にとって【東堂尽八】

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堅苦しい雰囲気の入学式が終わり、みんな大好き、新入生歓迎会が始まった。
生徒会役員のレイは、司会進行を任されていた。彼女がこの役割をやるのは2回目だ。




レイ『次はお待ちかねの、部活紹介です。
まずは去年、県大会で3位入賞のサッカー部です。』




・




いつくかの部活の紹介が終わり、自転車競技部の順番が来た。




レイ『お次はチャリ部の紹介でーす。』




東堂「おい、レイ！チャリ部って呼ぶな！ちゃんと自転車競技部と呼べ！」




体育館の色んなところから笑い声が聞こえてくる。
何故か、「いいぞー」とか「もっとやれー！」とかも、飛んで来たりもした。
レイはなにを「もっとやる」んだ、と思ったが、まぁ気にしないでおいた。




レイ『そんなに怒らないでよ。…えーっと、気を取り直して、自転車競技部の皆さんです。』




舞台袖にいた芹沢からマイクをぶん取り、東堂はステージ中央にカッコつけて立つ。
ひとつのスポットライトが東堂に当たる。




東堂『ワッハッハ！オレを誰だか知りたいか！知りたいだろう！ならば教えてやろう！
登れる上にトークも切れ『自転車競技部は、毎年インターハイで優勝している強豪チームです。』…おい、最後まで言わせろ！』




また笑いが込み上げてきた。

なんだかんだあったが最終的には福富がちゃん部活紹介をした。




東堂『最後に行っておくが、今入ればこんな可愛いマネージャーからタオルやら何やらを渡して貰えるぞ！』




そう言って、東堂は舞台の下で立っているレイを指差した。それと同時にスポットライトがレイの方へと。

今日のピンスポは誰がやってるのだろうとレイは疑問に思う。
ピンスポを使えるのは演劇部やダンス部の子達だ。そして、その中でも東堂ファンの女子だろうと考えた。彼女達は東堂の言うことなら何でも聞く奴らだから。




また生徒達が騒つき出した。
「おおっ！」とか「ヒュー！」とか色々聞こえてくる。




レイ『…ははは。』




レイはみんなの方に向かい、ヒラヒラと手を振る。お人形さんみたいな綺麗な顔で、無表情のまま。




福富『因みにマネージャーも、募集中だ。今年は3人まで募集している。』









・









「マネージャーかぁ。……東堂先輩っ…！超かっこよかったな〜っ。」

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