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敷地の隅にある、今は使われていない老朽化した訓練場。俺達は幹部に選ばれる前から、ここで日々鍛錬を重ね競い合っていた。あれは確かまだ訓練生だった頃…たしかAと初めて闘った時、女やって舐めてかかったらボコボコにされたなんてこともあった気がする。悔しくて再戦を申し込んで、漸く勝てたかと思ったらすぐに追い抜かれて…それからずっと、ある日俺から一方的に仲違いするまでその繰り返し。休憩用のベンチに座り、そんな日々を思い返していた。
『シャオロンの髪ってさらさらしてるよね。羨ましいなぁ』
『Aもそんな変わらんやろ？』
『これでもケアめっちゃやっとるんよ？もっと自然体で、女の子らしくなりたいの』
『女の子らしさ目指す奴は、俺と互角に戦えるわけないやろ〜』
『…それもそっか。てかそれ、遠回しに男っぽいって言ってるよね？？』
『あ、バレた？』
『もー！そんな事言うなら、私もシャオちゃんって呼ぶからね！』
『おま、ちゃん付けはカッコ悪いから辞めえ言うたやんか！』
アイツとの間には異性の蟠りなんてものはなくて、男友達や戦友のように競い合えて。でもいつの日からか、俺をみる視線には羨望の色が混じっとった。…いや今思えば、あいつは俺と出会う前から既に、ひとり悩みを抱えておったのかもしれへん。そんな様子に気づく事なく、俺はアイツの悩みを聞く耳すら持ち合わせていない最低な"友"やった。俺な、そんなダメな俺でも…お前がずっと見放さず味方でいてくれたこと、ほんまに嬉しかったんや。
「こんなとこおったんか」
「…兄さん」
「なんや、いつもみたいな元気ないなぁ」
背後からかかる声。いつもは極端に気配を消して近寄ってくるのに、珍しく足音をしっかり残っておった。そんな中、段々と日が暮れると共に夜風に似た心地よい風が俺達を包み込む。ニット帽から零れ靡く髪の毛が目に留まり、ふと被っていたニット帽を外し、こみ上げる言葉を呟いた。
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にゃむ吉(プロフ) - アイリさん» コメントありがとうございます。主人公の心情・状況を丁寧に表現したくこのような手法をとりました。少しでも楽しみのひとつになれたのなら幸いです… (2022年6月5日 17時) (
レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - ちゃんと日記のとこ漢字かけなくてひらがなになっていくの好きやわ… (2022年6月4日 22時) (レス) @page20 id: 018c1614bc (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - にゃむ吉さん» 了解です。意図的でしたのなら、口を挟んで申し訳ないです。これからも応援させていただきます。頑張ってください( *˙ω˙*)و ｸﾞｯ! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 00820fe97a (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ吉(プロフ) - ウイさん» メッセージありがとうございます。指摘いただいた内容については当初は意図した表記だったのですが、読み直すと確かに違和感もありましたので伝えたいニュアンスを含め修正しました。引き続きよろしくお願いいたします。 (2022年3月19日 7時) (レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 気になったのでご指摘させて頂きます。ps(分かりますか？)のセリフで『あり？』という物がありまして、『あれ？』では無いのかなと思いました。何か意図的にやっているなら申し訳ないですが気になったのでコメント失礼しました。今後も頑張ってください (2022年3月19日 7時) (レス) @page32 id: 00820fe97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃむ吉 | 作成日時：2021年7月16日 16時
