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「…なんでいっつも、助けてもらってばっかやねん」
「……」
「俺だって…俺だって、Aちゃんの事守らせてくれよ…！」
大先生が人前でこんなにも感情を顕わに涙するのは…俺が知る限り、大嫌いな虫が襲ってきた時か、女にフラれ酒を飲み嘆く時くらい。それだけ彼女の存在はとても大きく、いざそれが欠如した時はいとも容易く崩壊してしまうのだろう。そんな感情豊かな様が、今ばかりは正直羨ましかった。
『A？何見と…る…』
『あっ…えっと、ごめん』
『なんで謝るんや。これ、欲しいんか？』
『え？あ、まぁ、その…見てただけだから、要らないよ』
『…ならええけど。欲しいもんあれば言ってええんやで？』
『あはは、私だって稼いでるんだから、自分で買えるよ。そのお金はチーノ辺りに投資してよ』
『あー、あいつに投資するっつうことは、ドブに捨てるようなもんやからな〜』
『何それ、可哀そｗ』
出かけた街先で通りかかった衣装屋。店頭で母娘が品定めをしていたのは淡い青色に染まるワンピースやった。Aがそういう服を着た姿は見たことなかったけど、"これは似合う"って俺の第六感が囁いたんや。やから買ぉたると思ったんやけど、断られちったなぁ。あん時寂しそうな目をしていた理由…俺じゃない奴だったら、大先生みたいな奴だったら…気づいてやれたんかな。
「はよ泣き止まんと、ただでさえデカい顔がもっとデカなるで」
「……はぁ〜ライン越え」
「フフフフフッｗｗ」
「…ンフフフッｗｗ」
ないものねだりしたところで、過去を変えることは出来ん。せやから俺達は、辛く悲しく時に厳しい選択を強いられる時も、自分らしさを武器に戦わなくてはならない。それがきっと、Aが残してくれた想いのひとつじゃないだろうか。それにもうひとつ、俺には大事なミッションが託されている。
「まぁ…あいつに…Aに頼まれなくても、大先生の面倒は俺が見たる」
「……誰だよ。そんなシッマの手を煩わせるめんどくさい構ってちゃんはぁ」
「お前じゃい！」
彼女の手を引いて未来に行けなかった分、コイツや幹部連中、アイツが大切にしてきたもん全て。全て率いるほどの、まるで王様のような器の大きい男にならんとな。気づけばそれを後押ししてくれるかのように、眩しい朝日が俺らを照らしておった。
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にゃむ吉(プロフ) - アイリさん» コメントありがとうございます。主人公の心情・状況を丁寧に表現したくこのような手法をとりました。少しでも楽しみのひとつになれたのなら幸いです… (2022年6月5日 17時) (
レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - ちゃんと日記のとこ漢字かけなくてひらがなになっていくの好きやわ… (2022年6月4日 22時) (レス) @page20 id: 018c1614bc (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - にゃむ吉さん» 了解です。意図的でしたのなら、口を挟んで申し訳ないです。これからも応援させていただきます。頑張ってください( *˙ω˙*)و ｸﾞｯ! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 00820fe97a (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ吉(プロフ) - ウイさん» メッセージありがとうございます。指摘いただいた内容については当初は意図した表記だったのですが、読み直すと確かに違和感もありましたので伝えたいニュアンスを含め修正しました。引き続きよろしくお願いいたします。 (2022年3月19日 7時) (レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 気になったのでご指摘させて頂きます。ps(分かりますか？)のセリフで『あり？』という物がありまして、『あれ？』では無いのかなと思いました。何か意図的にやっているなら申し訳ないですが気になったのでコメント失礼しました。今後も頑張ってください (2022年3月19日 7時) (レス) @page32 id: 00820fe97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃむ吉 | 作成日時：2021年7月16日 16時
