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俺達がどれだけ悲しみに明け暮れていても、空に浮かぶ星は相変わらず光り輝いている。吹かしたタバコの煙がふわふわと漂い、もうすぐ夜明けを告げる薄暗い空気に消えていく。城の端にあるこのバルコニーに来たのは、大人気もなくAちゃんの前で大泣きしたあの日以来。こっそり彼女の歌声を盗み聞きしたのも、随分懐かしく感じる。けれどいくら思い出に浸ろうと、いくらここに足を運べど…もう彼女が戻ってくることはないというのに。
『Aちゃんおはよ〜今日もかわええなぁ』
『おはよう大先生。その甘い言葉はあちらのメイドさんへどうぞ？』
『つれへんなぁ…なぁ、今夜空いとる？』
『…内容次第では？』
『そらもちろんセッ』
『あ、トントン！助けて〜大先生に襲われそうだよ〜』
『あっちょっと！冗談やって！？』
俺な…初めてやったんや、こんなに一人の女に夢中になるの。これまでの彼女たちやったら簡単に紡げた言葉も、Aちゃんの前じゃ緊張しっぱなしやったんやで？情けないよなぁ、ほんま。それでもな、この気持ちはたぶんやけど、ずっと変わらんよ。せやから今度会うときは、俺のプライドにかけて絶対振り向かせたる。…そんな強い心持った男やったら良かったのに。
「なんや、随分辛気臭い顔しとるやんか」
「…シッマ」
歩きながら器用にタバコの火をつけ、俺の横まで来てから手摺に背中を預ける。そういえばAちゃんと話す時もこんな感じだったなあなんて、シッマの言葉に釣られて辛気臭さがより一層増してしまった。すると"そういやな、"と吹かした煙と共に言葉を零した。
「最後に会ったの、俺やって話したやんか」
「…おん」
「あいつ…最後、俺になんて言ったと思う？」
「……なんやろ、分から…」
「"大先生をよろしく"」
「……は？」
「間違いなく、あいつはそう言ってたで。…多分やけど、
「………なんや、それ」
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にゃむ吉(プロフ) - アイリさん» コメントありがとうございます。主人公の心情・状況を丁寧に表現したくこのような手法をとりました。少しでも楽しみのひとつになれたのなら幸いです… (2022年6月5日 17時) (
レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - ちゃんと日記のとこ漢字かけなくてひらがなになっていくの好きやわ… (2022年6月4日 22時) (レス) @page20 id: 018c1614bc (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - にゃむ吉さん» 了解です。意図的でしたのなら、口を挟んで申し訳ないです。これからも応援させていただきます。頑張ってください( *˙ω˙*)و ｸﾞｯ! (2022年3月19日 18時) (レス) id: 00820fe97a (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ吉(プロフ) - ウイさん» メッセージありがとうございます。指摘いただいた内容については当初は意図した表記だったのですが、読み直すと確かに違和感もありましたので伝えたいニュアンスを含め修正しました。引き続きよろしくお願いいたします。 (2022年3月19日 7時) (レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - 気になったのでご指摘させて頂きます。ps(分かりますか？)のセリフで『あり？』という物がありまして、『あれ？』では無いのかなと思いました。何か意図的にやっているなら申し訳ないですが気になったのでコメント失礼しました。今後も頑張ってください (2022年3月19日 7時) (レス) @page32 id: 00820fe97a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃむ吉 | 作成日時：2021年7月16日 16時
