Only Love

＊ ページ15

「頼りないなんて、思ったことない。だけど…デビューに向かって頑張ってる紫耀の、邪魔をしたくないから。だから困る」





もっと突き放すことだって
できたかもしれない




10歳も下なんて興味ない
Jrなんて相手にしてらんない


そう言うことだってできたけど





それをしなかったのは
今後の関係のこともあるし…

なにより、嫌われたくはない

そう思ったんだ…






ずるい大人だよ、ほんと…






…





紫「じゃあ、さ」

「…うん」

紫「俺は、Aのこと好きだし、付き合いたいし、結婚したいって思ってるけどさ」

「えっ…」

紫「だけど、返事は待つから…ちゃんとデビューできたら、その時に答え、聞かせてよ」







真っ直ぐに私の目を見てそう言った紫耀は
今までに見たどの紫耀よりも
強くて…愛おしいと、感じた。






「…」

紫「でも、これからも家に遊びに来たりは、したい」

「ふふ、どうしようかなぁ笑」

紫「だって、俺にもアピールする時間くらいくれても良くない？仕事のときは無理だし、外ではなかなか会えないし」

「まぁ…そうだね」

紫「ちゃんと返事もらえるまでは、絶対エッチなことしないって約束するから」

「エッチなことって…笑笑」

紫「…キスしかしない」





そこはするんだね。笑



だけど、必死にお願いしてくる紫耀を
拒否するなんて、できなかった




かわいくて
愛おしくて…



"デビューできたら"…か。






もし仮に付き合ったって
結婚なんて、ありえない。



ジャニーズは30代、40代の結婚が当たり前で
そうなると私は40代、50代…




…考えたくもないな。





子供だって産んであげられないし
結婚したって幸せにしてあげられない…




って…どうせその頃にはほかの女に乗り換えてるか

それまでずっと一緒にいる想定自体
おこがましいのかも…




取り越し苦労？笑




でも、歳とって紫耀に捨てられても
そのまま結婚とかできなくても

それでもいいなら…



それまで紫耀に夢見させてもらうのも
意外とありかなぁ、なんて…





元々結婚願望も出産願望も
そんなにないし

親は待ち望んでるけど
基本私の意見を尊重してくれるし



とか、いろいろ言い訳考えながらも
紫耀と過ごす未来を
少しだけ思い描いてる自分がいた。






10歳も下なんてダメ
アイドルなんてダメ
結婚できないとダメ
子供産めないとダメ









…そんなこと
何一つないってことに

今、やっと気づいた。

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