推し33〜過去編〜 ページ35
好きなことを好きと言って、何が悪いんだろうか。
イケメンが好きなのはお前らもだろう。何で私だけ責められるの。
どうして「好きだ」と言うと、すぐ恋愛の意味に捉えるんだろうか。
『アイドルみたいな存在なんだよ!』
そう言っても、誰も信じてくれない。
唯一信じてくれたのは、祥吾だけだった。
みんなが私を「男好き」「ぶりっ子」と罵る中、祥吾だけは「違う」と言ってくれた。
『祥吾……私ね、中学では大人しくしようかと思ってる』
「大人しく?……ああ、イケメンに興味ねーって振りか」
『うん……まぁ、イケメンなんてそうそういないけど』
そう言って笑うと、祥吾は乱暴に私の髪を撫でた。
「もう泣くなよ。泣き止ませんのクソダリィんだからな」
『……!うん!』
祥吾は私がいじめられていた時、女子達の前ではっきりと言ってくれた。
「仲良くなろうと努力もしねーくせに勝手に嫉妬していじめるような性格ブス女、好きになるわけねぇだろ」
あの時の祥吾はすごくかっこよかった。うん、あの時は←
そして中学生の入学式。
『祥吾、早くして!』
「朝からうっせぇなぁ……ババアかよ」
『祥吾の祥吾を潰してやろうか?』←
「止めろ……!それは確実に死ぬ……!!」←
いつもの軽い口喧嘩をしながら、学校に向かう。
ダルそうに歩く祥吾を引きずりながら急いで走っていると、校門前で人とぶつかってしまった。
『いっ……!あ、すみません!』
「ああ、大丈夫っス」
怪我はないっスか?と手を差し出される。
私がその手を取ると、男子は思いっきり引っ張って私をジロジロ見た。
『え、あ、あの……』
「怪我はないみたいっスね。良かった」
安心したように笑った彼に、目を奪われた。
綺麗な金髪。吸い込まれそうな瞳。焼けることを知らないような白い肌。
全てに、胸が高鳴った。
「それじゃ、気を付けて」
『あ、はい!』
その人の背中を見て、ふと思った。
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『(誰かにときめいたの、初めてだなぁ…)』
それが運命の出会いとも知らずに。
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りおん - すごく面白いので、もったいないと思います! (2018年12月26日 17時) (レス) id: f919ba13cc (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - この作品が凄く面白いのでそろそろ更新して下さるとありがたいです。どうぞよろしくお願い致します (2018年10月19日 22時) (レス) id: 0eba96f5ee (このIDを非表示/違反報告)
みかづち - 凛恋@キドさん愛し隊さん» ご指摘ありがとうございます!更新頑張ります!! (2018年8月24日 22時) (レス) id: 2ae2904005 (このIDを非表示/違反報告)
凛恋@キドさん愛し隊(プロフ) - 面白いです!応援してます!因みに黒子の名前は片仮名でテツヤですよ (2018年8月22日 22時) (レス) id: 64b5b9dc76 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち - 彩香さん» ありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします!! (2018年8月2日 10時) (レス) id: 2ae2904005 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2018年7月20日 23時