俺の幼馴染みはクール系女子と見せかけて異常なくらいのキセキ好き【黄瀬涼太】

推し２３ ページ25

緑間side





「七島」




教室に少し響く、彼女の名前。




当の本人は俺を見るなり、笑ってかけ寄ってきた。




『どうしたの？緑間くん』

「そ……その、だな…」




最近、妙に赤司と七島の距離が縮まっている気がする。



目を合わせたら笑い合うし、手だって振る。




彼氏でもないのに、何を心配しているのか。







「………今日、一緒に帰らないか」




眼鏡をクイッと上げて、さりげなく目を反らす。




クラスの女子も、俺と七島を交互に見て何かヒソヒソと言っていた。





『うん、いいよ。じゃあ、部活一緒に行こっか』

「あ、ああ」



頷いてから、ふと気付く。






「灰崎とは行かないのか？」

『祥吾は大丈夫だよ。修ちゃんがボコボk……説得して連れてきてくれるから！』




…………今のは聞かなかったことにするのだよ。








『にしても、珍しいね。緑間くんが誘ってくれるなんて』



「七島と一緒にいたかった」






そう言おうとして詰まる。





今日の蟹座は2位。「あまり自分の気持ちを伝え過ぎると良くない」と書かれていた。








……………だが、俺ははっきりと彼女に言った。






「七島と……一緒にいたかったからだ」

『ほんと？ありが………えっ！？』







顔を真っ赤にしながら驚いている彼女を見て、胸が高鳴った。









だがそれとは裏腹に、七島を睨んでいる女子を見て不安になった。









やはり、おは朝の忠告は聞くべきだったか……？

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