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｢ん〜、今日少し苦かったですか?｣
顔を少し歪ませて首を傾げるAちゃん。
そんなことあらへんのに、昔っからこの子はストイック。
その仕事の姿勢は幾度となく、自分の仕事に対する熱を奮い立たせる。
かっこええよな、ストイックな人って。
藤｢そう? 苦くあらへんよ、美味しい｣
神｢流星、1口ちょうだい｣
藤｢おん、ええで〜｣
｢いっつも流星くんは美味しいって言ってくれるから参考にならないっ｣
藤｢だっていつも美味しいやん?｣
神｢...うん、全然苦くないな、むしろいい感じ｣
｢ほんと...? ならよかった｣
藤｢心配しすぎやって、Aちゃんの作るものはマジで全部ハズレないんやから! 自信もってや｣
｢ふふ、そっか...、ありがとう流星くん。...そういうところ、素敵よね｣
藤｢え?｣
｢素直で真っ直ぐなところ｣
神｢うん、それわかるわ。ほんま、流星は真っ直ぐ｣
藤｢そうなん?｣
｢そうなの、だから...幸せになって欲しい人ナンバーワンかも!｣
神｢それもわかる!!｣
藤｢そんなこと言ったら俺もやわ! 2人には幸せになって欲しいんよ!｣
｢んふふ、変なの、お互いの幸せ願ってるなんて｣
くすくす笑いながら
｢じゃあ私今、この時間とっても好きだから幸せ｣
なんて可愛いこと言って。
ほんま、あざといのなんの。
そういうとこやぞ、七海A!!笑
｢...ん〜、そろそろ片付け始めようかな、｣
神｢もうそんな時間か、ごめんなっ、長々と｣
｢あっ、全然! まだ営業してるからゆっくりしていってね｣
藤｢Aちゃん、今日家まで送ったる｣
｢わ、ほんと? 嬉しい｣
神｢俺もいく〜｣
｢やった、智洋くんも来てくれるの!｣
藤｢彫刻みたいなイケメンと髪の毛奇抜なイケメンに送ってもらえんで〜｣
｢贅沢ですこと!｣
神｢やめてやーはずい!｣
｢ふふ、いいじゃない、似合ってるし｣
久しぶりのAちゃん、神ちゃん。
やっぱりこっちやな、って安定に仲良い人たちといる安心感を実感して。
もちろん恋愛だってしたいけど、前言撤回。
やっぱしばらくええかな。
どんな自分でも受け入れてくれてるAちゃん。
めっちゃ自分のこと理解してくれる神ちゃん。
こいつらとの時間をもう少し楽しむのも悪くない。
【赤いラナンキュラス:あなたは魅力にみちている】
真っ赤のラナンキュラス。 Ryusei.F 《Fin》
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作者名：maoka. | 作成日時：2021年8月13日 23時
