赤いスイートピー。 Daiki.S ページ1
仕事終わり。
もうすぐ春だけど、2月の終わり頃はまだ寒い。
少し身震いをして、会社を出る。
大阪支社から異動になって半年ちょっと。
仕事にもだいぶ慣れて、落ち着いてきた頃。
明日は土曜日で休みやし、残業もなかったから
ちょっと行ったことない道でも通るか
なんて思って、いつもなら真っ直ぐ進む道の脇道を進んでみた。
段々と狭くなる道幅。
これは、、通っちゃダメな道、か...?
重｢進めるんかな、これ...｣
そんな独り言がもうとっくに日が沈んでる空に吸い込まれる。
ほんまに細い、路地裏みたいな道。
でもここがどこに繋がるのか、気になる。
恐怖心よりも、好奇心が勝ったから、とにかく突き進むと
狭い道を抜けた先に、小さな明かりが。
...お店?がある。
重｢こんな所に、...お店?｣
小さな灯りの下には優しい、柔らかい字で書かれた看板。
《Cafe & Flower なないろ》
重｢カフェ...、と花...?｣
少し不思議な、そのお店にすごく惹かれた。
引き寄せられるように扉を開ければ
ふわっと柔らかい花の香り。
店内は淡い、優しいオレンジ色の光で
2人がけのテーブル席が3つと、カウンターに席が5つ。
この時間だからか、お客さんはいなくて、俺1人だけやった。
扉に着いたベルが聞こえたからか、奥から｢はぁい｣ってゆるーい声が聞こえた。
数秒後、カウンターの向こう側から現れたのは
｢お待たせしましたぁ、｣
と、さっきと同じゆるーい声と、ふわっと優しい笑顔の小柄な女性。
これが俺と君の出会い。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：maoka. | 作成日時：2021年8月13日 23時
