ep.49 ページ2
前のクラスが終わり、ついに私達の番。今お客さんが入れ替わる時間。ふー、緊張してきた…。カタコトにならんように…大吾くんがせっかく練習に付き合ってくれたんやから…
「みんな、楽しむで！小さい声で、えいえい、」
「「「「ぉー」」」」
観客席には聞こえないくらいの掛け声で。うん、頑張らなきゃ。
王子は最初のシーンはないから。大吾くんの演技がみれる。…ドレスだけじゃなくあーいう地味な格好でもオーラが隠せてないのは、なぜ？
＜…私も舞踏会へ行きたい。＞
＜あら、あなたは…＞
魔法なんか使えないからシンデレラがドレスに変える間、原作にはないけど王子のシーンがある。
緊張しながらも舞台へたつ。うわ、めっちゃ人おるやん。
«今日は舞踏会の日だって？…すっかり忘れていたよ。»
ふー、なんとかやりきった。そして舞踏会についたシンデレラ。うわ、やっぱり可愛い…。お客さんもそう思ったらしくヒソヒソ声が聞こえる。
「ねぇ…男女逆転よね？」
「えぇ、でもどっちもすごく美男美女…」
私はともかく、みんな大吾くんに夢中。なんか複雑やな…。そう思っては私のなんじゃない。そう言い聞かせる。
そして二人で踊るシーン。
«お嬢さん、ぼくと一緒に踊ってくれませんか？»
＜もちろん、よろこんで＞
手を繋ぐ。そして片方の手を肩に。
この温もり…今でも思い出す。演技に集中しなきゃなんないのに…どうしてこんなにも胸が苦しいの。
＜あ、時間だわ！ごめんなさい、私急がなきゃ！＞
«待ってくれ！って………行ってしまった。…ん？これは彼女の靴？………僕は彼女を絶対に探すんだ！»
そして終盤。最後だ、失敗しちゃいけない…
«この靴をはいていただけますか？»
＜はい。＞
«やっぱり、あなただ。あなたがあのときのシンデレラ…»
＜ええ、私もあなたに会いたかった…。＞
よしあとは最後のセリフ
«…あなたが好きです。ぼくと結婚してください。»
＜私もあなたが好きです。よろこんで。＞
無事終わった。よかった、うまくいって。胸を撫で下ろし、次のクラスのためにも片付けやら急いで行う。
私は、というと着替えるだけやったし。更衣室に向かおうとすると…
大「Aちゃん、おつかれ。」
『大吾くんもお疲れ、素敵だったよ。』
何度見ても似合うと感じる。私もこんな感じがよかった。
『…なんかシンデレラ姿、羨ましく思うわ。』
呟いた言葉。とくになんも意味なんてなかった。
大「じゃ、交換する？」
『え？』
大「俺、Aちゃんのシンデレラ姿みたい。」
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イヅキ - あまとさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです…！自分でも書ききれた達成感でいっぱいです。本当に読んでくださってありがとうございました。 (2022年10月21日 16時) (
レス) id: 072635462a (このIDを非表示/違反報告)
あまと(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも更新楽しみに読ませていただいてました。複雑な心模様が丁寧に描かれた惹き込まれる物語で、大好きな作品でした！今まで執筆お疲れ様でした。素敵な作品をありがとうございました！ (2022年10月19日 20時) (レス) @page50 id: 4e08d1fad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イヅキ | 作成日時：2022年8月7日 20時
