４（Tside） ページ4
ここんとこ、ずっと感じてた違和感
その原因が、わったーのケガのおかげで分かった気がした
触れた手が異常に熱かったミツ
ガヤには言うな、と言う
「ガヤさんがキタミツの事に気付かないなんて、珍しいよね…」
そうなんだ
ミツが言わなくったって、以前までのガヤなら気付いてたはずなんだ
「ガヤと何があったの？」
「何もない。」
「だったら尚更変でしょ、こんな事…」
「ホントにっ…何もないからっ…。」
何もない…
その言葉の裏に、何を隠してるんだろ…
「…体、辛いでしょ？家でずっと一人で我慢してたの？」
「…」
「キタミツ、良かったら俺のとこ来る？いいよね？たまさん。」
「大丈夫だから…」
「あっ、たまさんっ！？」
「たまっ！」
「大丈夫だよ。熱がある事は言わないから。」
どう見たって大丈夫じゃないのに強がるミツを見て、我慢できずに席を離れた
向かった先は、甲斐甲斐しくわったーの世話をするガヤの元
「ガヤぁ。」
「ん？どうした？」
「ミツが寂しがってるよ〜」
「え？」
ちらりとミツの方に視線をやるガヤ
ミツの熱には全く気付いてないみたいだ
「ずっとわったーんちにいるんだって？」
「あぁ…」
「太輔、もう帰って良いんだぞ。俺は何とでもなるんだし。」
目尻を下げるわったーにガヤは微笑む
「北山がわたんとこに行けって言ったんだ。だから大丈夫だよ。」
なるほどね…そう言う事か
「ミツ、すっごい心配してたもんね。」
「え？あ、うん。」
「わったーもミツの気持ちに応えて、早く直さないとね。」
「そうだな。」
俺は忠告したからね
ガヤがそのつもりなら…
「二階堂！」
「うわっ！たま、なんだよっ！」
「……ミツが熱出してるぞ。」
「は…？」
「ガヤはわったーんとこで、帰ってないみたいだぞ。」
「…どう言う事だよ。」
「さぁ？…ガヤはミツが熱出してる事知らない。」
「っ…」
「宮田が家に誘ったけど、ミツ、大丈夫だって言って断ってた。」
「…」
「一人にしておいていいの？」
「………ありがと、たま。」
「…。」
真っ直ぐにミツの方へ向かうニカを見送る
遠巻きに俺とニカを交互に見る千賀の視線は無視した
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 864人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MISA
| 作成日時：2018年5月31日 16時
