２４（Tside） ページ24
「………ほんの、少し……太輔に嫉妬した…。みっちゃんの傍にいられる太輔に…だから…太輔をみっちゃんの所に帰したくなかった…」
「ガヤもそのことに気付いてたよね？」
「……凄いなたまは…」
こんな風に、今にも泣きそうに顔を歪めながらも、自嘲気味に笑うわったーを見たことがなくて…
わったーがミツを想う気持ちはきっと、ガヤと同じくらい深い
もしかしたら、わったーの方が秘めてる分、想いは強いかもしれない
わったーの傷付いた顔…
それでもミツの代役をきちんと務めてスタジオを後にしたわったーに、自分が取った態度が正解だったのか分からなくなる
「たまさん。」
「…その顔、ウザい。」
「酷いなぁ。」
「あっち行けよ。」
「行かない。」
「…」
「だって、たまさんも泣きそうな顔してるからさ…」
「…」
「仕掛けた本人が、自分で傷付いてどうするの…」
ミツとガヤの関係は、誰も壊す事なんて出来ない
もし壊れるとしたら、それは二人自身が作った亀裂だけだ
だから、その亀裂に気付いた時、正直動揺した
だって、こんな事初めてだったから
メンバーの中で密かに張り巡らされていった想いの糸
それが縺れ始めたのもこの頃だった
きっと…俺がわったーの立場だったら、同じ事をしてたと思う
「たまさん。」
「…うるせ。」
だから、俺は全てを知った上で、気付かない振りをした
そして水面下で見えない糸を操ってやろうと決めた
「ずっと…１番心を痛めてたのはたまさんだもんね？」
「…」
「キタミツとガヤさんの事、誰よりも好きなのはたまだもんね。」
としの温かい笑顔と優しい声
不意に泣きそうになって、顔を背けた
「ホントたまさんは素直じゃないんだから。」
「素直じゃなくて悪かったな。」
「んふふ。でも、俺は、そんなたまさんが大好きだよ。」
きっと…コイツとなら、小さな亀裂も起こらないんだろうな
俺がどんなに傷付けたって、コイツはあっという間に直しちゃうんだから
「……俺も好きだよ…」
「おっと、この流れでそのデレ発言は、複雑(笑)」
「………マジウザい。…お前なんて嫌いだ、ばぁか。」
憎まれ口叩いて抱き付いたら
「それでこそ、俺のたまさんっ！(笑)」
そう笑って抱き締めてくれた
.
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作者名：MISA
| 作成日時：2018年5月31日 16時
