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22(Yside) ページ22

「太輔、みっちゃんと何があったんだよ?ちゃんと話して。」





立ち尽くす太輔を、引き摺るように自宅へと連れて帰った

部屋に着いてからも、太輔は何も言わずに一点を見つめたままソファに座ってる





「……みっちゃんと別れたって…本当なのか?」

「……本当だよ。」





ゆらりと揺れた瞳が、やっと俺を捉える





「どうして…」

「…」

「もしかして、俺のせい…」





太輔を独り占めして、みっちゃんから遠ざけていたのは俺だ

みっちゃんの寂しげな瞳…気付いていない訳ではなかった





「……わたのせいじゃない。俺から言ったんだ。」

「…っ…どうしてっ…」

「もう…疲れた…。宏光の事、好き過ぎて、どうしていいか分からない…」

「……どう言う…事…?」





太輔の言っている事が分からなかった

みっちゃんの事好きなら、別れる必要なんてないじゃないか

だって、みっちゃんも太輔もお互いに愛し合ってる

俺が入る隙間もないくらい…






「ニカが言った通りだよ。全部…全部俺が決めた事なんだ…。」

「ニカ…?」





どうしてニカの名前が出て来る…?

ニカと何があった…?





「わた?どうして俺がここに泊まって世話したか分かる?」

「何?突然…」

「俺が…わたへの罪悪感だけで、ずっとここにいたと思う?」

「え…?」

「んふふ。渉、宏光の事好きだよね…?」

「…っ…!」

「ずっと前から気付いてた。いつか…ちゃんと話さなきゃって、思ってた。」

「太輔、俺は…」

「宏光にとっても渉は、特別だから…」

「…っ」

「俺、渉にだけは宏光、取られたくない…」

「俺はそんなつもりっ…」

「でも…わただけじゃなかった…」

「え…」

「アイツ、本気だった…」

「太輔…?」





まるで何かに憑りつかれたみたいに、無表情のまま話し続ける

こんな太輔を見た事がなくて、嫌な汗が背中を伝った





「ぁ…あの…たい、すけ…」

「渉……俺はどうしたらいい…?」

「え…」

「渉の気持ちが宏光に向いてても、俺達は大丈夫だって思ってた…」





そうだよ…

俺がどんなにみっちゃんを想っても、二人に揺るぎなんて微塵もなかった





「いつからこんなになっちゃったんだろ…」

「太輔…」

「いつ…俺達、道を間違えちゃったんだろうね…」





太輔の涙から、目を離す事が出来なかった

雲が月を隠して、俺の胸の小さな想いまでも消していくようだった





.

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作者名:MISA | 作成日時:2018年5月31日 16時

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