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18(Nside) ページ18

楽屋に行くと言ったきり、なかなか帰らないミツが心配になり、ミツを探しにスタジオを飛び出した

グループショットはもう終わってる

残りは個人ショットだけだから、ミツの撮影まではまだ時間はあるけれど、何となく胸がザワザワする





「ミツ、いる?」





そっと楽屋のドアを開けると、ちょこんとソファに座り頭を抱える後ろ姿が見えた





「ミツ?大丈夫?気分悪くなっちゃった?」





ゆっくり近付くけれど、ミツは動かない





「ミツ?」





顔が見たくて触れた肩が小刻みに震えてる…





「…っ…くっ…」

「…ミツ…?………っ!」





ミツが泣いてた…





「どうしたの?!どっか苦しい?!」





ぐっと引き上げた肩

それによって向けられた瞳から、大粒の涙が零れた





「太輔に…」

「え?」

「太輔に…何言った…」

「……えっ…?」





怒りを含んだ力で、ぐっと肩を掴まれる





「お前、太輔に何言ったんだよっ…!」

「何?何の事?どうしたのっ…つっ…!」





指が喰い込むほどに掴まれた肩が、痛い

けど、ミツの表情からはそれ以上の痛みを受けた苦しみが伝わってくる





「ガヤが何?ガヤと何があったの?!」





俺の肩を掴んだまま項垂れるミツの手にそっと触れると、指の力がふっと緩んだ





「別れたいって…」

「え?」

「もう…疲れたって…」

「…っ…!」





一瞬、頭が真っ白になった

何で?どうして?

その言葉だけがグルグルと頭を回る





「…それで…ミツ…」

「別れたよ…っっ…」

「なんでっ…」

「だってっ…そうする、しか…俺っ…はっはっ…んっ…はぁっ…」

「み、ミツ、しっかりしてっ!ちょ、誰かっ!!!」





突然荒い息を繰り返して倒れたミツを抱えて、叫ぶことしか出来なかった

俺の声を聞きつけて宮田とたま、スタッフさん達が駆け込んで来てくれたのは、辛うじて覚えてる

ぼんやりとした記憶の中、次にはっきりと状況を認識できたのは

病院に運ばれたミツの穏やかな寝顔だった






.

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作者名:MISA | 作成日時:2018年5月31日 16時

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