１１（Mside） ページ11
横尾さんのケガから、何だかギクシャクしてる楽屋
大分ケガは良くなったみたいだけど、ガヤは相変わらず横尾さんにべったりだし、そんな二人を寂しそうに見つめてるミツの隣にはニカがべったり…
少しずつ…何かが変わろうとしている気がする
「熱、下がんないんだよね…」
撮影の合間の休憩
ミツがスタッフさんと話している間にこっそりとたまと俺の所にやって来たニカ
「え、そうなの？結構続いてない？」
「うん。もう１週間以上だよ…。」
「マジか…」
「うん。朝には微熱程度まで下がるんだけど、夜になるとまた上がって…。」
チラチラとミツの方を気にしながら、泣きそうな顔してる
「そりゃ、きついね…」
「ずっとさ、寝言でガヤの事呼んでんだよ。なんか俺…見てるの辛い…」
「…ガヤは帰ってないの？」
ガヤの名前が出た途端に、今まで黙ってたたまが口を開いた
「一度も。連絡は来てたみたいだけど。」
「ふぅん…」
ニカの答えに一気に不機嫌になるたまを見て、俺の汗も一気に吹き出した
「キタミツ、ガヤさんには話さないの？」
「うん。俺にも言うなって言うんだよね。」
「どうしてだろうね…」
「分かんない。わったーにガヤ取られて拗ねてんじゃないの？」
なんてニカまでも拗ねちゃってるから、ニカは可愛い
「なら、ニカが頑張るしかないよねぇ。」
「だからぁ、俺じゃダメなんだって。」
「でも、ミツがガヤを頼らないんじゃ仕方ないじゃん？」
「そうだけど…」
「ガヤもガヤだよ。前はあんなに『北山、北山』って言ってたのに、全然気付けないでわったーに必死になってんだもん。自業自得だよ。」
「たまさん、」
「ニカチャンスじゃん。」
「え？」
たまがニカをグッと引き寄せ耳元で囁く
「…ミツの事取っちゃえばいいじゃん。」
ニカの顔が一瞬、強張った気がした
「そんな…」
「今のミツ、全然幸せそうじゃないもん。ニカといた方がミツも幸せかもよ？」
「…っ…」
ニカの目が落ち着きなく揺れていく
それはまるで、ニカの心をそのまま表してるみたいだった
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作者名：MISA
| 作成日時：2018年5月31日 16時
