58話 ページ13
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「まさかとは思うけどチャリ部じゃないよな？偵察？」
「う」
びしりと言い当てられたその言葉。
慌てて頭を振っていい言い訳を探し出す。
箱学の名前は私が守らなくちゃ…！
「…わ、私、箱学のチャリ部のマネージャーで。その、先輩に総北高校さんが合宿来てるって聞いて、それで」
「やっぱ偵察じゃんかよ」
しかしそんな決意も虚しく、私の下手すぎる言い訳はすぱんと切り捨てられた。
「……すみません…」
諦めて結局素直に頭を下げる私。真波くんについてってれば良かったかな…。
「…ふ、素直だねキミ」
すると何故か、急にふわりと空気が優しくなった。
顔を上げて目の前の青年を見ると、さっきまでの警戒の色はもうない。
しょうがないなぁ、なんて言っているような、まるでお兄ちゃんが妹を見るときみたいに優しい視線。
「てゆーかこんな朝早くに来たってまだ練習始まってないよ。1年？」
「ぁ、はいっ1年です」
もともとのコミュニケーション能力が高いのか、フレンドリーに話してくれる総北の人。
やっぱりまだ練習は始まっていないらしい。それでももう起きているなんて、努力家な人なのかもしれない。
「学校始まる前に来たので…えっと、勝手に入ってごめんなさい」
今度はもう一度、しっかり勝手に侵入したことを詫びて頭を下げる。
総北の彼はクスリと笑って、いーよと首を振った。
「俺2年だし、主将には秘密にしといてあげる。名前は？」
「美森Aです」
「美森ちゃんか。俺は手嶋純太。よろしくね」
美森ちゃん、とこれまた初めての呼び方でフレンドリーに私のことを呼んでくる手嶋さん。
人懐っこい人なんだろうな、たくさんの友達に囲まれてそうなタイプ。明るくて優しい、クラスの人気者ってかんじだ。
「よ、よろしくお願いします」
緊張しつつ頭を下げると、それで？と手嶋さんは意地悪に笑った。
「偵察の収穫、何かあった？」
……こんなに朝早く来たって、収穫なんかあるわけない。
そんなことわかってるだろうにニヤニヤ聞いてくる手嶋さんには、さっきまでの優しい面影はどこにもない。
「…あり、ましたよ」
ないと言ってしまうのが悔しくて、思わずそう答えてた。
へえ、と楽しそうに呟いた手嶋さんが、どんな収穫？と首を傾げる。
小悪魔っぽいあざとさがあるけど、きっとわざとではないんだろうな。
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暁☆(プロフ) - 名無し20182号さん» コメントありがとうございます！！嬉しいです🥰 更新頑張りますね！ (8月23日 0時) (
レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
名無し20182号(プロフ) - 神作すぎて一気見しちゃいました💞めちゃめちゃきゅんきゅんします！！更新応援してます❕ (8月17日 21時) (レス) id: f1e05d66bf (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - ちるちるさん» コメントありがとうございます！！ 嬉しいです、頑張ります😭 (5月31日 14時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
ちるちる(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！ドキドキしました…！続きが楽しみです！更新頑張ってください！！ (5月31日 3時) (レス) @page27 id: ace1fac0f2 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - 新規オタクさん» コメントありがとうございます！🙇♀️ (2023年1月30日 13時) (レス) id: f3c28010ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2020年12月14日 21時
