［ONE PIECE］いや知らねェよ、って思ってました。今までは。-2- (ページ42)

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６７話ページ42

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『ふわぁ…』

欠伸をしながらサボの部屋に戻る

実はコアラちゃんの部屋は既に満員らしく、それで彼の部屋をあてがわれたらしい

お風呂上がりだから短パンビキニだけど…まぁいいや

ノックをしてから返事を待たずに開ける

｢ん？何だAか…って、え！？｣

『何？』

｢いや、なんつー格好してんだよ！アホ！｣

わ、意外とウブな反応

『そんな慌てなくても良いでしょ、煩いな』

｢よくねェよ！せめて上なんか羽織れ！｣

むーりー、といいつつソファに寝転がれば、腕を引かれて体が持ち上がる

｢髪くらい乾かせよ…ったく｣

ぽんぽん、と自分の前を叩くから、大人しく移動する

…こーゆーの、狡いよなァ

｢今日、疲れたか？｣

『んー…』

疲れた、というのが分からないけど

凄く眠いからそーなんだと思う

『でも楽しかった、』

久しぶりに、という言葉は飲み込んで仕舞う

サボの雰囲気は狡いんだって！

｢そうか？良かった…｣

『何で？』

｢んー…無理してる笑顔だったから、かな｣

ヒュッ、と喉が鳴った

｢無理してまで笑うな｣

やめて

｢傍に居てやるから｣

やめて、やめて

｢泣きたい時は、泣けよ｣

『っ、ばか』

膝を抱え込んで、壊れるかって位に肩を握っても

それでも、君の目は私を映さないから

知らない人の目で見ないでよ

怖いよ、寂しいよ

今まで何の為に、とか考えちゃうんだよ

生きてた事を喜ぶべきなのに、記憶が無い事を恨んで

嫌な奴、だから

『優しくしないで、』

｢それは無理な話だな｣

放っておいてよ、君が生きていた事を素直に喜べない私なんか

｢だって、なんか放っておけないんだよ｣

放っといたら勝手に死にそう、と笑う姿に、笑顔がこぼれた

『サボ、聞き流してね』

分かってない彼の手を掴んで、頬に当てる

記憶は無くても、その手の温もりは変わってなくて

自然と、涙がこぼれた

『生きててくれてありがとう。
約束待ってる。だから、絶対果たしに来て』

｢A…？｣

目を伏せてから、ゆっくりと開く

もう、2度と泣かないって決めた

『サボ、髪乾かしてよ！』

暫く固まった後、優しく頭を撫でてくれた

｢仕方ねェな｣

とか言いつつ満更でもない顔しちゃって

『好きだよ』

ドライヤーの音に掻き消されて、私がそれ以上言葉を発する事は無かった

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