６０話 ページ35
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『このケーキうまし！ヤバ！』
｢肉が食いてェよ俺は…｣
『あ、勿論サボさんの奢りですよねっ！』
｢はぁあ！？｣
｢はいはい、ストップ。早速なんだけど、本題に入ってもいい？｣
勢いよく立ち上がるサボを宥め、コアラがAに問う
『どぞ、お構いなく！』
｢あのね｣
一呼吸起き、声を小さくしてコアラは言った
｢私達、革命軍の戦士なの｣
『ふ〜ん』
誇り高く言ったコアラと、至極普通そうに頷くA、自分の財布を確認してるサボ
異様な光景だ
｢あれ、驚かないね？｣
『そんな気してたし、で？これは勧誘？』
｢正解！｣
どう？と心配そうに聞くも、その顔は一瞬で変わった
『いいですよ』
｢っほんとに！？｣
｢おい待て、そんな簡単に決めていいのか？今の情報屋やめる事になるんだぞ？｣
財布の中身を確認し終わったのか、サボが口を挟む
『私ね、世界政府、並びに海軍。大嫌いなの、ちなみに世界貴族も』
最後の部分は声を潜める
『理由はまぁ、色々あるんだけど。
自分達の都合の悪い事は揉み消して、良いように世界に報じるなんて、セコいと思わない？』
私そーゆーの大嫌い、と付け足す彼女の目はコアラの目をしっかりと見ているのに、何故か何処を見ているか分からない
『でもって、あいつらは私の大切な人を奪った。
たとえこの身朽ち果てようとも、ぶっ潰す。』
そう言い切ったあと、ニコッと笑う
『それが私の夢』
その笑顔は、驚く程に冷たかった
｢わ、分かった｣
｢じゃあ、早速うちの船に乗ってほしいんだけど！｣
『あ、私の船員どうすればいいんでしょう』
ちゅー、とジュースを吸いながら首を傾げる
｢置いていくか、連れていくかだが…｣
『置いていくとか絶対無理だ。付いてくると思うし…一緒に乗せていいですか？』
付いてくる、という言葉に若干違和感を感じつつも、その違和感も直ぐに消える事になる
『クロカ！』
その船員を連れていく為に、Aの船に全員で戻ってきた
｢お嬢、お帰りなさいませ。そちらの方々は？｣
笑っているのに目が笑っていない燕尾服の男
その目は今にも獲物に飛びかかりそうな獣だ
『クロカ。』
｢失礼致しました｣
Aの一言でその目は優しく細められ、頭を下げる
｢A嬢の執事。クロカでございます｣
『私の事大好きなんです。だから、付いてくる』
納得だ
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作者名：祥 x他2人 | 作者ホームページ：http://Nano
作成日時：2017年11月14日 1時
