１０４話 ページ34
.
狂ったように言う弥那にひっ、と悲鳴に似た声を上げる
｢ほら、ね？どうするんだっけ？｣
情景反射で膝をついた
カラン、と音を立てて鉄パイプが床に落ちる
｢うん、賢い！それで？｣
無理矢理口角を上げようとする
…最近は出来ていたから忘れていた
この世界では、表情が自然にじゃないと動かないんだ
『ぁ…弥那、』
｢ん？なぁに？｣
コツ、コツ、と足音を立てて近付いてくる弥那に座り込んだまま後ずさる
嫌だ…
『ゃ…来、ないで…！』
｢どうして？A｣
背中に触れたヒヤリとした感触に振り向けば、目の前には壁
逃げ場を失った
それだけが頭をグルグルと回る
嫌だ、嫌…！
目の前まで来た弥那が、目を合わせるようにしゃがみこみ、私の頬に手を当てた
冷たい手に背筋が凍る
｢ほら…笑顔、でしょ？｣
顔が近付いてきて首筋に埋まる
『い"っ…ぁあ"…！』
ギリギリと噛まれ、痛みが走る
苦痛に顔を歪ませ、離れたかと思えば冷たい手が首に当てられた
プルプル、と電伝虫が鳴る
締められる首に、視界が滲む
『ぁ…や、な…！』
｢A。お前はオレのもの、でしょ？｣
"お前は俺のもんだよ"
サボ…サボ、サボ君！
『私は…！』
ポケットの中の電伝虫を掴んで気づかれないように外に出し、受話器をとった
｢ねェ、ほらA！笑えよ！｣
『サボ君助けて！！』
一瞬でツー、ツー、という音がして電伝虫を潰される
｢あァ、もう…悪い子だなァ…！｣
目の前で変化していく弥那に目を見開く
『悪魔の実…！？』
ガルルル、と喉を鳴らすそいつは人型をした
チーター
離された首に手を当て、チョーカーがある事に安堵する
それもつかの間、右肩に鋭い痛みが走った
噛みつかれてボキボキ、という音と共に骨が折れる
『ぁあああ！！』
｢あァ、相変わらずいい声を出すんだね…それに、顔も凄く…大好きだ…！｣
『っ、はぁ…っお前に、好かれても…嬉しくねェよ…あ"あ"！』
もう1度同じ所を噛まれる
このままじゃ食いちぎられる
真面目にヤバい
｢死んじゃダメだよ？俺の手で殺すのはもうやったんだから…今度は、ギリギリまで壊してあげる｣
ヒュッと喉が鳴って、ゾクリと悪寒が走った
ギュッと目を瞑る
ドゴォン___
痛みの代わりに聞こえた音に目を開け、安堵した
『っ、サボくん…！！』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マカロン愛?(プロフ) - 祥さん» いやいや、こっちこそ全然更新してない←← (2017年12月4日 7時) (
レス) id: c30a359a19 (このIDを非表示/違反報告)
祥(プロフ) - マカロン愛?さん» きゅんきゅんしてくれたなら嬉しいですぅぅぅ！ってゆうか大分遅くなりました申し訳ぇぇぇ！！ (2017年12月4日 2時) (レス) id: 46c8d0675f (このIDを非表示/違反報告)
マカロン愛?(プロフ) - 祥さん» はあああああああん！もう！口角があがりっぱなしですよもうどんだけきゅんきゅんさせればきがすむんですかああああ？？？(更新楽しみすぎっすね！) (2017年11月30日 17時) (レス) id: c30a359a19 (このIDを非表示/違反報告)
マカロン愛?(プロフ) - 祥さん» オッケーデーす！ (2017年11月30日 1時) (レス) id: c30a359a19 (このIDを非表示/違反報告)
祥(プロフ) - マカロン愛?さん» 読むの早くないですか！？w今日はまだ更新するので宜しくお願いしまーす！ (2017年11月30日 1時) (レス) id: 46c8d0675f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：祥 | 作者ホームページ：http://Nano
作成日時：2017年11月22日 3時
