喧嘩と殴るの趣味だけど問題ある？【灰谷兄弟】

14喧嘩 ページ16

泊まってけば、と言った蘭だったがAはそれを断り家に戻った

2人が家まで送ってくれるのはいつもの事だ

竜胆「何かあったら連絡しろよ」

『うん』

2人の背中を見送ると、Aはドアを開け家に入った

母「あのクソ男…」

『また飲んでる』

家に入って1番に目に入ったのは、いつもの如く酒に溺れる母

母「あぁ？A、帰ってきたなら声くらい出しなさいよ…酒は？」

『知らないよ、自分で買ってくれば』

母「生意気な子だね、あんたなんか産むんじゃなかった」

『あんたがかってに産んだんだろ、私のせいにすんな』

母「母親の私に逆らうなぁっ!!お前は私が産んだ!!私が産んだ私の奴 隷!!奴 隷が楯突くんじゃないよ!!」

『面倒くさ』

母「お前も父親みたいに殺してやろうか!!」

『…は？』

Aは頭の中が一瞬真っ白になった

父は病で死んだ筈だ

それは覚えいる

だが母はハッキリと殺したと言った

『は、どういう事？だって、お父さんは、病気で死んだんでしょ…？カルテだって見た！』

母「病気だったのは本当さ、ただそれを”放置した”だけ。アンタには言って無かったね、アタシは元々看護師をしてた。病気、それも癌だって直ぐに分かったよ、症状が出てたからね。でも丁度良かった、死ねば保険金が手に入る。だから、末期になるまで病院に連れて行かなったのさ。 お陰で直ぐに死んでくれたし、保険金も大量に手に入った。アンタの父親は、最高の財布だったよ」

『…金欲しさに、それだけの理由で、お父さんを見殺しにした？』

母「そうだよ」

『……』

母「次はアンタに保険金を掛けようか。お前が死ねばアタシは金が手に入る、アンタはあの世の父親と会える。一石二鳥だろう？」

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