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―しのぶside―
Aの額に刻まれた傷に
自然治癒を促進するクリームを塗布して
時間経過を待つ。
その間、彼女から目を離さない杏寿郎は
私に話しかける。
杏「傷跡は残るのだろうか」
私は別の消毒剤を片手に、
Aの頭を自分の膝へ乗せる。
しのぶ「そうですね。
残ってしまうかもしれませんね」
未だ気絶したままのAは
暑そうに汗を流していたので
私は持ち合わせていた手ぬぐいで
それを拭う。
A「うっ……」
汗が傷口に染みるのか、
眉間に皺を寄せた彼女は、小さく声をあげた。
その苦しそうな声に反応して
咄嗟に杏寿郎の両手が
Aの方へ動いたのを私は見逃さなかった。
しかし、見守ることしかできないと悟ったのか、
その彼の手は、即座に元の位置に戻る。
しのぶ「煉獄さん」
杏「なんだ!!」
私はAの汗で湿った頭を、優しく撫でた。
しのぶ「煉獄さんは、
少々口下手なところがあるかもしれません。
それでも、
Aさんにはきっと伝わっています。
Aさんは
人の気持ちを察するのに優れた人ですから」
彼女の頭を撫でたまま、
いつもより目を丸くした杏寿郎の顔を見る。
しのぶ「Aさんを
今まで通り愛してあげてください」
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あいふぉん - 初めまして。とても素敵なお話で一気に読んでしまいました!!煉獄さんが本当にかっこよすぎて夢主が可愛すぎてっっ!!続き楽しみにしています!! (2021年10月5日 0時) (レス) id: 367ee183e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年8月27日 20時