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5年前



ーAsideー




まだ15だった当時の私は

煉獄家に来て4年目であり、

ようやく、大抵のことに慣れてきた頃だった。




A「杏寿郎」



そう言って起きたばかりの彼を

両腕で抱き留めた私は、


彼のお日様のような匂いを嗅ぐ。



それが好きだった。



昨夜の残り物の茶菓子を

中庭の小鳥にやる彼は

私のいつもの行動に嬉しそうに微笑む。




自然で、柔らかい。

そんな笑顔だった。




A「朝ごはん、

  一緒に作ろうと思って待ってたの。


  洗濯物だけ先に干してしまってもいい?」






彼の胸にしっかりと抱きついたままの私は

そこから見える彼の綺麗な顔を見上げて

そう言うのだった。






杏「Aは、

  Aの好きなようにすればいい。


  俺がそばにいる昼であれば、

  何でも助けてやれるから、問題はない」






起きたての優しい声と、

甘すぎる言葉に、

私は高揚した気持ちで洗濯物を干しに走る。





穏やかな朝の村に、

見上げると高い空。






…この屋敷の女中として働くと決めた日から

この時まで、


ずっと、私は杏寿郎と結婚したいと

本気で考えていた。





彼のそばに生涯居られるのなら、

他のことは本当にどうでもよかった。





例え一生彼の女中であっても、

側にいられるのなら

私にはそれでよかった。







それだけが全てだった。






洗い終えた洗濯物を

物干し竿にかけながら


小鳥と触れ合う彼を眺めて

私はうっとりとする。






いい天気だ、

そう彼に話しかけようとすれば


稲妻の如く、凄まじい怒鳴り声が

辺り一面の空気を支配した。






杏「!」


A「!?」






恐怖のあまり硬直する私の隣に、

杏寿郎は誰よりも早く駆けてくるのだった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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まるまるもりもり(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» たしかにそうですね!そうすぎますね!!!!!書き直させていただきます!的確なご指摘本当にありがとうございます(TT) (2021年3月14日 11時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - すいません・・・「エピローグ」の所、物語の最初なので「プロローグ」の方がいいんじゃ・・・(^_^;) (2021年3月14日 6時) (レス) id: ff085d1bee (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 凪子さん» 凪子さん、素敵なコメントありがとうございます^ ^ そうですよね!煉獄さんは身分差は気にしない素敵な人ですよね(*^^*) 凪子さんにもっと楽しんでいただけるように、頑張ります!! (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 衣世さん» 衣世さん^^コメントわざわざありがとうございます!とても嬉しいです(^-^)ハッピーエンドになるように頑張りますね!! (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - 身分の差…煉獄さんは気にしないと思いたいです!展開を楽しみにしています(^^) (2021年3月13日 8時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年3月12日 20時

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