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プロローグ ページ2

プロローグ


-Aside –



『君を嫁に欲しい』



そして、これから先も側にいてくれないか。



そう続けた彼の、紅色のビー玉のような瞳の奥には、

いつもと変わらぬ優しさが

炎のように燃え上がっている。




しかし、同時にそこに浮かぶのは、

以前なら見えるはずのなかった ‘哀しさ’だった。



『好きだ、A。

……どうしても、好きなんだ』



伸ばされた厚い手を、

私が握り返すことは、もう、ない。





きっとそれすら彼は全てわかっている。

それでも彼は賭けたのだ。





月光に照らされた金木犀のような髪が

寂しそうに夜風に揺れると、



昔から何一つ変わらない彼の、

日の光のような匂いが舞う。





私はそんな彼が昔から、

本当に昔から、



大好きだった。





A「杏寿郎さんに相応しいお相手は、

他にいます」




今にも暴れ狂いそうな心は

未だ彼の名前だけを叫んでいる。




それでもそんな心は

今夜の冷たい風が冷やしてくれる。


凍らせてくれる。




そう願う私の前で、

彼は何度目かの涙を見せるのだった。





A「そしてそれは

 


  …きっと、私ではありません」






流星の如く流れ落ちるその涙は、

皮肉にも一段と美しい。




呆然とした表情と、瞳孔の開き切った大きな目。

そこから溢れる一筋の涙を、私は見つめていた。




思い返せば、彼を泣かせていたのは

いつも私だったのかもしれない。





..許して欲しいだなんて、そんなことは願いません。



ただ私は、この季節が終わるより前に、

貴方様の前から消えようと思います。




追いかけないでほしい、

ただそれだけなのです。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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まるまるもりもり(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» たしかにそうですね!そうすぎますね!!!!!書き直させていただきます!的確なご指摘本当にありがとうございます(TT) (2021年3月14日 11時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - すいません・・・「エピローグ」の所、物語の最初なので「プロローグ」の方がいいんじゃ・・・(^_^;) (2021年3月14日 6時) (レス) id: ff085d1bee (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 凪子さん» 凪子さん、素敵なコメントありがとうございます^ ^ そうですよね!煉獄さんは身分差は気にしない素敵な人ですよね(*^^*) 凪子さんにもっと楽しんでいただけるように、頑張ります!! (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
まるまるもりもり(プロフ) - 衣世さん» 衣世さん^^コメントわざわざありがとうございます!とても嬉しいです(^-^)ハッピーエンドになるように頑張りますね!! (2021年3月13日 23時) (レス) id: 1253c02f70 (このIDを非表示/違反報告)
凪子(プロフ) - 身分の差…煉獄さんは気にしないと思いたいです!展開を楽しみにしています(^^) (2021年3月13日 8時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたあめ | 作成日時:2021年3月12日 20時

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