動揺 ページ24
・
頭に触れた手が、ゆっくりと離れていく。
なに、この状況。頭がついていかない。
・
｢Aのこと知ってるのは、俺だけがいいなって。｣
藤ヶ谷さんはそう言って、少し俯いた。
意味がわからない。
今まで私の事遠ざけてきたのは藤ヶ谷さんなのに。
｢…急にどうしたんですか。｣
私は少し怒った口調で答えた。
いくらなんでも、調子が良すぎない？
｢いや。ごめん、こんなこと言って。｣
立ち上がろうとする藤ヶ谷さんの腕を思わず掴む。
少し驚いた顔をしっかりと見つめた。
・
｢今まで、私の事遠ざけてきたのは藤ヶ谷さんじゃないですか。｣
日も沈みかけ、誰もいなくなったオフィスで私の震えた声だけが響く。
｢…ずるいですよ。私の気持ち知ってるくせに、こんなに思わせぶりなことばかりして。｣
次第に涙が溢れてくる。
今まで我慢してた糸が切れたのか、もう自分で止めることは出来なかった。
｢……。｣
ただ黙って、私の目を見つめる藤ヶ谷さんの表情は何を考えているのか全くわからない。
｢…どうして何も、いってくれないんっですか、｣
・
・
｢…ちがう。｣
・
そう言うと突然、藤ヶ谷さんが私を抱きしめた。
｢……ちょっ…｣
涙でボロボロの顔が、藤ヶ谷さんの肩に埋まってしまうくらい、私を強く抱き寄せる。
｢…………ちがう、俺は…。｣
・
そこまで言って、藤ヶ谷さんは黙り込んだ。
・
｢……藤ヶ谷さん、｣
・
私はすっごく好きですよ。
藤ヶ谷さんのこと。
・
藤ヶ谷さんは私をどう思ってるんですか？
なんで抱きしめたりしたんですか？
・
｢……ごめん。｣
藤ヶ谷さんはゆっくり私のことを離した。
どうして何も言ってくれないんですか？
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ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» 藤ヶ谷くんとそんなことになったら眠れませんよね笑(*ﾟ∀ﾟ*)続きもよろしくお願いします！！ (2020年1月27日 7時) (
レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - 結婚したら毎日こうなるのかな？と思ったら自然と笑みがこぼれたりしますよね。あんな事やこんな事とか。また幸せが続くといいですね。続き待ってます。 (2020年1月27日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん(プロフ) - 桃色さんさん» コメントありがとうごさいます…！ぜひこれからの展開も楽しみに読んでいただけれたらと思います(*´∀｀) (2020年1月20日 16時) (レス) id: a126447306 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - いい話しですね。忘れられない、けど何か思い出してしまう。そんな切ない感じの、私も気持ち分かりますし、好きですよ。続き待ってます。 (2020年1月20日 0時) (レス) id: f0b607ac31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nanami | 作成日時：2020年1月12日 23時
