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・
“まって”
そんな言葉と共に腕を掴まれる。
思わず振り返ると思ったよりも近くにいて、至近距離で見つめてしまう。
その顔が、今にも泣き出してしまいそうで思わず目をそらした。
「…っ」
ふわっと腕を引き寄せられて、トンっと北山くんの胸に当たった。
「…この肝試しの間だけでいいから
・
・
今までみたいに笑ってよ」
こんなに訳わからずに酷いことばかりするわたしにそんな言葉をかけてくれるなんて思ってなかったから、正直驚きで条件反射みたいに込み上げてくる涙。
堪えるようにギュッと唇を噛み締めて、腕の中でコクリと頷ずくと、
「ふは、ありがと…」
今まで聞いたことないくらい切ない声が頭の上から聞こえてくる。
あぁ、どうしよう。
とっても胸が苦しいよ。
ポロっと本音が出ちゃいそう。
「じゃあいこっか」
きっと北山くんにこうやって手を引かれながら身を委ねて歩くのはこれが最後。
最後ぐらい楽しまなくちゃね。
「おばけ役全然いないね」
「ほんとだな〜」
“楽勝じゃんな？”ってさっきのことがなかったかのようにケラケラ楽しそうに笑う彼に、私もつられて笑顔になった。
『うわぁ！！！！！』
「ぎゃああ！！」
「んはははっ すげぇ驚き方っ 」
油断してると横から盛大に飛び出してきた、白い服着た男の人。
「んはは、泣くなよ〜」
本当に油断してたからびっくりしすぎて半べそな私の頭を、鼻にかかった笑いと共にくしゃっと撫でてくるから
なんでかわかんないけどもっと泣けてきちゃって。
でも、いいよね
今泣いたって
おばけのせいにできるんだから。
「おい、おばけ！
A泣かすんじゃねぇ！
次出てきたら蹴るかんな！！」
「…ふふっ」
「なに笑ってんだよー」
私の方へ少し振り向いて薄目でじとっと睨んでくる感じ。
今まで何度も見てきたこの風景。
これが一番私たちらしいね。
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ぽん(プロフ) - りえさん» まだ44話以降を公開していないです…！ごめんなさい（；＿；） (2019年2月10日 8時) (
レス) id: 9bf54bbd8d (このIDを非表示/違反報告)
りえ(プロフ) - 44話以降通知が来ても更新されていないのですが私だけでしょうか(>_<)？ (2019年2月10日 7時) (レス) id: 38bd84ff18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽん | 作成日時：2019年1月8日 0時
