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貴方side
腰が抜けたまま動けない鬼に、刀の刃先を向ける。
それを額からつーっと喉元まで運ぶと、鬼はなんとも情けない、嗚咽のような声を小さく吐いた。
そんな鬼に、私はあることを尋ねた。
『お前、天人っていう生き物知ってる？』
「アマント…？」
『さっき言ったように、猫やカエルや魚みたいなさ。顔が動物みたいで、とにかく変な格好した奴らのこと』
という、簡単な説明を付け加えてあげると、鬼は何故かバツが悪そうな顔をした。
おっと？これは何か知ってるな？
グッと刀を握り直し、鬼の首に添える。
『アイツらの策略に加担してるだろ？…正直に言ってくれたら、頸は斬らないって約束してやる』
鬼の目には、小さな希望が宿された。
「……最近、この辺りの鬼はみんな奴らに服従している。
取引をしたんだ。吉田Aという女を捕らえる代わりに、あの方の血…即ち、鬼の血よりも強力な血を分けてやるって」
それは信じ難くはない、有り得る話だった。
鬼の血よりも強力な血というのは、恐らく私の持つアルタナの血のことだろう。
鬼は頸を斬られるか、もしくは日光に当たると死んで灰になってしまう。
それに比べて、アルタナの血は正真正銘の不死身。不老不死の力を得れる。
そして、それを得た者は惑星に溜まっているアルタナのエネルギーが無くならない限り、滅ぶことはない。
私を例外として。
.
『…そんな上手い話、あるわけねェだろ』
鬼の頸が、鈍い音を立てて落ちた。
「テメェ、話が違うぞ…！」
『ここで生きてたって意味ねェよ。アイツらがお前らに血を分けるはずないし、分けてもらったところで、お前らは血の威力に耐えきれずに死ぬ』
無惨がそうだったように。
そう付け加えると、鬼は更に表情を歪めた。
『有力な情報サンキュ〜〜。感謝するよ』
鬼は灰になって、風に乗り姿を消していく。
『来世は鬼のいない世界に生まれろよ』
「ぐあぁｯｯ…！」
眩しい朝日に目が眩む中、私はひとり、静まり返った山を後にした。
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ちらちゃん(プロフ) - 雲隠れさん» コメントありがとうございます！更新頻度上げれるように頑張りますね！(;_;) (2021年4月6日 4時) (
レス) id: 843b1d66ba (このIDを非表示/違反報告)
雲隠れ - いつも楽しんで読んでいます。早く続きが読みたいです！これからも頑張ってください。 (2021年3月31日 20時) (レス) id: 9c937fba5d (このIDを非表示/違反報告)
ちらちゃん(プロフ) - 光華さん» 私的に小話とか挟みたかったので、全然大丈夫ですよ！気にしないでください(^^) (2021年3月10日 21時) (レス) id: 843b1d66ba (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - ちらちゃんさん» マジですか!!イヤでも、話の流れを変えてまで無理やりーとかはしないでいいですからね!申しわけなさすぎるんです! (2021年3月10日 21時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
ちらちゃん(プロフ) - 光華さん» 土方さん登場できるように頑張りますね！(^^) (2021年3月10日 21時) (レス) id: 843b1d66ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちらちゃん | 作成日時：2020年12月19日 2時
